コリーヌ

バービーのコリーヌのネタバレレビュー・内容・結末

バービー(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

序盤からなぜかかなりケンに肩入れして見てしまい、これは最終的にケンにも救いがないときついぞ……と思っていたんだけど、さすがおれたちのグレタ・ガーウィグぬかりなしだった。
フェミニズムと言ってのけることは簡単だけど、それが孕む問題を二重、三重にメタ解釈していこうという考えがわかって好感が持てた。でもだからこそ最後のケンへの救済(のようなもの)、「あなたはあなた」についてはそりゃそうだけどそこから一歩先がほしいよねという気持ちも。おれたちの想像しうる向こう側を見せてくれ、グレタ・ガーウィグ。

そんな感じだったからバービーランドから出てケンが現実世界(男社会)を見たときにひどく感激するシーンは、笑えるというよりはちょっとジンときてしまった。そりゃこれまでオマケ扱いされてきてそれしか知らなかったなら感激しちゃうよね、無理ないよね、と。もちろんバービーがその世界で受ける揶揄や視線なんかも、あまりにもわかりすぎて辛かったけど、それは単純に「知ってる」「わかるよ」な感覚だった。
全体を通してユーモラスな皮肉が散りばめられた、という映画なんだろうけどユーモラスというよりはやや意地の悪い皮肉かなという印象もあった。そこが面白いところでもあるから、そこを面白いと思っちゃう自分もなんだかな……とも思ってしまう、思うツボ。
あとストーリーを面白くするためというのもあるだろうけど、男女の対立煽りすぎじゃない?ずっと間にいたアランのこと好きになっちゃった。

ライアン・ゴズリングのペカペカのマッチョとオーバーな演技よかった。『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のときも思ったけど、マーゴット・ロビーってほんとに"昔ながらのアメリカ美女"って顔立ちだなんだね。2人とも配役ばっちりと思ったけど、もう少し若い人でこれに該当できる人いなかったのかなとは思った。あえてこの2人にすることで、ちょっと古めかしい感じを出して、スタンダードバービーのやや時代遅れ感を演出していたのかもだけど。

ところで映画を映画としてメタ化するのあんまり好きじゃないからだけど、途中で「マーゴットロビーが言っても説得力ないわね」みたいなナレーション入るやつはさすがにやりすぎなので不要じゃない??