おん

アイリッシュマンのおんのレビュー・感想・評価

アイリッシュマン(2019年製作の映画)
4.2
I heard you paint houses

ついに賞レースの時期が来ましたね!
最近バタバタし続けてて映画全然見れなくて滞ってました。
Netflix公開直後に見てたのですが、レビュー書かずに気づけばマリッジストーリーまで公開されてる始末。。

今回はAFIでも作品賞、助演男優賞(アルパチーノ)含む三冠でオスカー戦線でも主役確実とみられているアイリッシュマンで。
スコセッシ×ロバート・デ・ニーロの黄金コンビがNetflixオリジナルで見れちゃう時代すごい。。

・感想
正直自分に合う映画ではなく、100%理解して楽しめているかといわれるとNOだと思う。
本当に楽しめるのは70年代のアメリカ時代背景を理解していたり、もっとイタリアンマフィアムービーに精通している人なのかなと。
(ゴッドファーザーくらいしか見ていなくてすみません。。グッドフェローズくらいは見るようにします。)

ただしそれを補っても、3時間半で一人の人生を一瞬で駆け抜けるような脚本と、最新CGによる若返り技術、名優と名監督が作り上げた世界観は素晴らしいものでした。

フランクシーラン(ロバートデニーロ)の自分語りから始まり、彼の一生を振り返っていくスタイルをとりますが、前半から全くCGと分からないロバートデニーロの若い時代が出てきて不思議に思う暇もなく、ラッセル(ジョーペシ)に殺し屋に勧誘され家族との別離を経験するあたりのフランクの目線・表情がCGを介していても素晴らしいものでした。

ジミーホッファ(アルパチーノ)が出現するあたりから物語の規模感が大きくなり、同時にスピード感も早くなっていきます。

クライマックスの一連の20分間くらいのシーケンスは、平和な音楽と和やかな背景とは対照的に、緊張感のある演技、暴力的な描写共にものすごく印象的で、今年の映画の中で一番印象に残ったといっても過言ではないかもしれない。

またそれだけで終わらず、最後の30分間がこの映画を作るのに非常にいい味を出していましたね。
現在より若いデニーロからスタートし、最後は追い越して激動の生涯を閉じようとする、その終末観の描写がすごく印象的でした。

マフィア映画の一連を見た後、もう一度振り返ると絶対面白いだろうなと感じたので、自分の価値観が変わったころもう一度見てみたいと思います。
おん

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