おん

哀れなるものたちのおんのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.4
Recreation

ヨルゴスランティモス×エマストーンによるとんでもない作品の誕生。

正直あらすじ読む限りだと、こんなコメディでチャーミングでラブリーでアーティスティックな作品だと思ってませんでした。

ブラッドリークーパー×エマストーンの対談でブラッドリーも言ってましたが、まさにcompletely my mind was blown awayとしか言えない。

なんと言ってもエマストーンのキャラクターベラですよ。
大人の体に子供の脳が入り込んだという設定は、なくは無いものの、それをリアルに思わせる、ウィレムデフォーのサイコパス感、そしてエマストーンのパワーあふれる演技が、ベラのリアリティを上げてました。

前作「女王陛下のお気に入り」終了直後、4年間かけて、ヨルゴスとエマ2人で練り合ったキャラクターは素晴らしく、逆ベンジャミンバトン、外見は変わらず心と身のこなしだけが、最終的に身の丈に合っていくというベラは最終シーンから撮影を開始し、徐々に幼少期に戻っていくような、映画の時系列とは完全に逆向きに撮ったそう。

やはり視聴者ももちろん、映画の中のキャラクター全てがそうなんですが、初めは、一般常識が伝わらないベラを舐めてかかるんですよね、それがどんどん成長し最後は逆転されて、挙げ句の果てに破滅させられるマークラファロは本当に滑稽で良いキャラクターでした。こんなマークラファロ見たことない。

そしてこのベラが次に何をするか本当に予想がつかないので、最後30分間とかほんとジェットコースターに乗ってる気分でめちゃめちゃ面白かったですね。

2024年1本目にして、年間ベストにも絶対入ってくると確信する最高の一本、Poor thingsでした。
おん

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