字幕版を鑑賞。
1970年代後半のアメリカで、主に3人の女性の生き様が語られる。
映画における語り部である少年の母親で現在50代のシングルマザーと、その賃借人で20代の写真家、そして少年の憧れのお姉さん的存在の10代の少女。
母親は第二次大戦時には航空隊に志願し、戦後も当時珍しいキャリアウーマンとして企業内で地位を築くなど、自分の意思で自分の人生をコントロールしてきた女性。
一方、若い二人の女性達も自分自身の生き方を模索してはいるが、(自分にとって)正しい生き方を選ぼうとした母親の世代に対して、パンクやヒッピームーブメントなどのカウンターカルチャーの影響を受けた彼女らは、むしろ「正しくなさ」をこそ求めているように見える。
この辺りのジェネレーションギャップが、当時の文化・風俗・社会情勢(特にウーマンリブの文献)に合わせて語られるのは、今まで観たことがない切り口で斬新だった。
ただ話の都合上、少年と母親が互いを理解しようとする過程を主軸にしてあるが、そもそもこの親子は互いの事をある程度解っているので動機として弱いし、何でも解り合っている母子がいたとしたらむしろ気持ち悪いと思った。