フェミ研ゼミ

20センチュリー・ウーマンのフェミ研ゼミのレビュー・感想・評価

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)
5.0
感じたことを考え抜こうと思った。
なんでわたしはエンドロールの手前であんなに泣けて来たのか。

わたしには習慣がある。
毎晩コタツに横並びで変な音楽を聴きながら晩御飯を食べる。その後わたしがハマってる海外ドラマを見る。
パトリックジェーンとチョウが出てくるやつ。そしてうちの猫を抱っこで連れてくる。わたしは猫のお尻の匂いをかぐのが好きでわざわざお尻をわたしに向けて抱っこで連れてくる。そして今日もかぐわしいね。って猫を撫でまわす。
そんな毎日。
こんな日常とか、私や彼のことを誰かに伝えるなんて無理な話だ。死んでしまったら。
だからわたしは知らない誰かの知らない日常を想像したら泣けてしまった。
まだ知らないのに、永遠に何かを失ってしまうことが悲しくなって泣けた。でも救いようない100パーセントの悲しさな訳じゃないんだ。
ほか温かな何かがあった。





それからなんでひとりで観たのだろう。と後悔した。
映画が終わったらこんな話がしたいとおもったのにできなかった。ひとりだったから。
クラブで出会ったようなよく知らないけどノリの合う友だちとかと観たかった。二人で。
そんで、帰りに私はダイエットコーラに、相手はまずいコーヒーとタバコをふかしながら、私達に「次」なんてないかもしれないけど、ちゃんとふつうに話をすると思う。
今の映画最高なのにね。私たちの思い出はこれが最後かもしれないなとか思ってみたい。
そんで最後かもしれないけど、
またね。って言う。

実際そんな風にふとした最後の思い出はいっぱいある。
あの人とあの時が最後になるなんて思わなかった。

毎日何かしらわたしの人生から居なくなっている。そんな風に思えて悲しかった。

もっと話したいことがいっぱいあってコーラのお代わりを頼みたい。
でも早く帰りたい気もしてる。

これがさいごかもしれないのに。
フェミ研ゼミ

フェミ研ゼミ