キャサリン

レディ・バードのキャサリンのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
3.6
2020年代版ゴーストワールド的な。
クスッとなるシーンの挿入の仕方が小気味いい!
ゴーストワールドは、私は私、マジョリティを馬鹿にして過ごすも、自分らしくいることの生きづらさを感じるストーリーだったけど、
こちらは、マジョリティに憧れて嘘ついてまでして真似てみちゃうけど、結局私は私、に気付くストーリー。
正反対の構図なのにコメディ要素のテンポや質が近くて、なんとなく比較したくなる。

レディバードとしての自分は、キラキラしていて都会風なイケてる理想の姿。
でもホントの私はサクラメントの貧乏家族のクリスティン。
飄々とウソをつきながらイケてる女子高生になりきろうとするも、やっぱりなんだか窮屈で。
その上、友情も恋愛も初体験も親子関係もどうもうまくいかない。
何かを目指すことは何かを犠牲にすることではあるにせよ、ある程度は身の丈って重要だけど、その身の丈を愛せるか愛せないかが大きな課題。

ラストの、母親の愛情、故郷への愛着心を感じ、自分自身の選択として「レディバード」でなく「クリスティン」を受け入れるシーンはとても良かった。
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