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レディ・バードのaskQのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
4.2
なんとも爽快な余韻に浸れる作品だった。
高校生当時からしたら、親も先生も“大人”で絶対的な存在だったけど、グラグラ葛藤したり悩んだりしてるひとりの人間だったんだよなぁ。娘との関係性に悩む母親、今ならちょっと理解できる気がする。

早く大人になりたいクリスティンの気持ちもわかる。自分を“レディバード”と呼ぶことで、何者にもなりきれていない自分を確立しようとしていたんだろう。

クリスティンの周囲の人々がなんとも魅力的。基本仲良しだけど、ふとしたことでよくぶつかってしまう母、ずっと仲良しで何でも相談できる親友ジュリー、初彼氏で優しいダニー、演劇指導をしてくれる神父、ユーモアを忘れないシスター、口は悪いけど妹を心配する兄…などなど。

中でも異彩を放っていたのが「君の名前で僕を呼んで」のシャラメ君。やっぱり美少年だった。自分は他と違うって高尚ぶってるけど、話してみたら案外おもしろくないタイプ。やなヤツっぷりが見事だった。

自分を大人の世界に連れてってくれる、いわゆるスクールカースト高めな女子や男子とつるむけど、やっぱり違和感や居心地悪さに気づくクリスティン。プラムに行く車内で「こーゆー音楽嫌い」って言われた時、「わたしは好き」って言い放つシーンがかっこよかった。誰が何と言おうと「自分は好き」って気持ちは宝物。悩んでたダニーにも真正面から言ってあげたい。

クリスティンの髪型、学生時代やってみたかったなぁ。最後の茶色いジャケット&デニム&ショートブーツの着こなしが絶妙にかわいい。
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