エクストリームマン

キャノンフィルムズ爆走風雲録のエクストリームマンのレビュー・感想・評価

3.8
映画に頭をヤラれ、映画と結婚し、ハリウッドの階段を頂点近くまで駆け上がった(そして墜落した)男たちの物語。

地元イスラエルでの成功を足がかりにハリウッドへ進出した二人の男がエクスプロイテーション映画をキッカケに成功したものの、「格」を欲したが故に失敗してしまったといういかにもなアメリカンドリームの顛末といった感じだけど、そこに関わっていた人々の悲喜こもごもと、彼らが残した映画を見てみると、そう単純でもないのかなと。

イーライ・ロスがインタビューで「CFに教わったのは、忍者、チャック・ノリス、チャールズ・ブロンソン、ブレイクダンスだ」って言ってて、それだけで映画史的な遺産のデカさがよくわかる。お客様が神様の精神でエンタメ映画製造に邁進するメナハムの姿は『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』におけるダニエル・デイ=ルイスばりの突進力で、実はそれが今でも全く衰えていないことがわかるところの衝撃は大きい。そしてエンディングが沁みる。

逆説的にトロマとロイド・カウフマンの凄さがよくわかる映画でもある。