爆裂BOX

デビルズ・メタルの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

デビルズ・メタル(2015年製作の映画)
4.1
「ガンズ・アキンボ」のジェイソン・レイ・ホーデン監督が手掛けたオカルトホラー・コメディです。
田舎に引っ越してきた冴えないメタル少年ブロディは、新しい高校で瞬く間にスクールカースト最底辺に。日々の鬱屈した情熱をオタク仲間やレコード店で知り合ったメタル野郎ザックと組んだバンド活動にぶつけていた。そんなある日、ザックと忍び込んだ伝説のミュージシャンの家で「悪魔を呼び出す伝説の楽譜」を手に入れる。興味本位でその楽曲を演奏すると悪魔が呼び出されて町の人間が憑依されてしまい…というストーリーです。
デスメタル版「死霊のはらわた」と評されるだけあって、「「死霊のはらわた」の影響も感じさせる楽しいスプラッターホラーコメディでした。
前半は母親が精神病院送りにされてしまったために、田舎の叔父の家に居候することになり、ヘビメタ嫌いの叔父と叔母、ジョックスで学校でもイジメてくる従兄弟という最悪の家庭環境の中で鬱屈した感情を抱え、それをレコード店で出会ったワルなメタル野郎ザックや、同じく従兄弟にイジメられてるオタクコンビとバンドを組んでその鬱憤を演奏にこめたり、ヒロインとの恋などが描かれます。ヒロインと初めて話すシーンでのブロディの台詞は沁みますね。メタルに限った話じゃなく、それによって人生で救われる物ってありますよね。主人公達の青春ドラマの合間に楽譜を探す悪魔崇拝者のカルト集団と思われる連中による喉切り裂きや首チョンパ等のグロ描写が挟まれるので飽きずに見れます。
ブロディたちが悪魔を呼び出す「黒い讃美歌」を演奏すると、演奏の届く範囲にいる町の住民達がゲボゲボ血を吐きまくるシーンや、教師が授業中にブリブリ下血して女子生徒に血を吐きかけるシーンは汚らしくて良かったですね。
後半からは悪魔に憑依された住民が他の住民に襲い掛かり、地獄と化した町でブロディとザックが憑依された住民達と戦い始めてからはドンドンテンション上がってきます。憑依された人々は目を抉り出して、言動など完全に「死霊のはらわた」で「お前の魂を吸い取ってやる」という台詞も出てきます。そんな悪魔たちと電動ヤスリやエンジン落としたり、バイブやディルドでボコボコにしていく所は笑っちゃいました(笑)意外と強いし(笑)必殺武器チェーンソーも飛び出します。ゴア描写も首チョンパにディルドで顎砕かれて顔面破壊、斧で頭部真っ二つ、チェーンソーで腹切り裂かれて内蔵ボトボト等ゴア描写も盛盛です。ついでに従兄弟の顔切り落とす所も笑った(笑)
主人公ザックは最初冴えない感じだったけど、悪魔たちと戦い始めてからのキレっぷりは中々でしたね。ザックは待ち合わせのメモ主人公に渡さずヒロイン寝取ったり、高校で待つというメモ渡さなかったり、その事で揉めて主人公ボコボコにして罵声浴びせてその場去ったりとワルな感じかと思えばその後主人公の危機に駆けつけたり主人公と共闘したり友情に篤い所もあってちょっとどっちつかずな所あったかな。でも、悪魔たちやカルト集団と二丁チェーンソーで戦うシーンではかなりの強さ見せてくれましたね。本人が言う通り彼がいなかったら主人公達死んでたな。
ヒロイン前半は普通に可愛くて最後にメタルに染まってからも可愛かったですね。結構強いし。
復活した悪魔エイモスとの最後の戦いも友情パワーで立ち向かったりと前半の青春要素持ってきて熱い友情ドラマ持ってくるの良いですね。ブロディとザックの決断も切なさもあって良かった。
最後に一波乱あるかと思いきや…からのエンドロール後の映像も死んでも続く二人の友情感じさせてグッときました。
とにかく下品でハチャメチャな勢いあるスプラッターコメディで、「死霊のはらわた」のノリ好きな人ならハマる楽しい作品でした。