ブタブタ

デスノート Light up the NEW worldのブタブタのレビュー・感想・評価

4.0
死神大王が己の後継者を選ぶべく死神達に「キラ」を再び人間界に現出される事を命じる。
新たな「キラ」を誕生させ最も多くの人間を殺させた者が次の死神大王の座につけるという。
次期死神大王の座をめぐり6人の死神がそれぞれのデスノートを地上へと落とす。

ロシアに落ちたデスノートを拾ったのは医師アレクセイ。
彼は「慈悲」の心からか重病者や自殺志願者を次々と葬っていく。
彼の傍に立つ死神は爛々と光る赤い目・巨大な頭部・鳥の脚の様な細い腕と鋭い3本の爪を持つ、その姿はちょうど昔ロシアで目撃されたと言う「三メートルの宇宙人或いはクラウドウッズモンスター」と呼ばれる存在に似ていた。

アメリカに落ちたデスノートを拾ったのは投資家アーヴィング。
彼は己の「欲望」のままにライバル投資家や起業家・経営者を次々と葬り株価を操作、莫大な利益を上げていた。
彼の後ろには巨大なムカデの様な死神が無数の脚を蠢かせながら天井や壁を這い回っていた。
ちょうどカフカの小説『変身』の主人公グレーゴル・ザムザの様に。

日本に落ちたデスノート。
その1冊を拾ったのは最高判事・御厨。
彼は歪んだ「正義」の名の下に法で裁けぬ犯罪者そしてキラ信奉者までも次々と葬っていく。
その後ろにはボロボロの黒いフード付きマントを纏い右手に巨大な鎌を構えた髑髏の姿のオーソドックスな姿の正に死神が立っていた。

もう1冊を拾ったのは20歳の女性・青井さくら。
彼女はデスノートの持つ魔力に最初から魅入られてしまったのか「狂気」に支配されるまま無差別大量殺戮を開始する。
彼女の傍らには全身を金色の硬い装甲で覆われた様な姿の死神・ベポが立っている。

サイバーテロリスト・紫苑の元に齎されたデスノート。
それを持ち込んだのは「ある目的」を持った死神・リューク。
そして白い死神・アーマもある人物の元にデスノートと共に現れる。

6冊のデスノート・6人の死神・6人のデスノート所有者達。
今それぞれの目的と思惑と計画が複雑に絡み合いデスノート争奪戦そしてデスノートによる殺し合い、世界を巻き込んだ「デスノート大戦」が始まる。

みたいな話を見たかったんですが(笑)

結論を言えばコレは『デスノート』ではないですね。
酷評なのは分かりますし、怒る方の気持ちも分かります。
でも!自分は大好きな作品ですね。
原作『デスノート』第2部のL亡き後の世界、更に読切版のL・ライト亡き後の天才ではないキャラクターがデスノートを持ってしまった場合起こりうる破滅と狂気の物語を見ることが出来たと思います。
皆さんのレビューには「バカ映画」「超展開」と言うフレーズが随所に踊っていますが自分もそう思います。
『デスノート』より『男塾』とかに近いんじゃないでしょうか?
この作品は『デスノート』と言うより古き良き時代の「ジャンプマンガ」のテイストを色濃く持っていると感じました。
「努力・友情・勝利」ですね。
天才ではない主人公・三島(東出昌大)の努力とLの後継者・竜崎(池松壮亮)と反発しながらも協力しあい敵に挑む友情と、あと勝利に関してはあの結末は一応勝ったと言う事で。

でもコレでデスノートさえあればいくらでも続編が出来ると思いますので、この続きの又新たな映画『デスノート』も見たいです!
ブタブタ

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