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定職/就職のkonomoのレビュー・感想・評価

定職/就職(1961年製作の映画)
3.8
ギンレイのオールナイトにて。
ミラノからちょこっと離れた町の素朴な男の子が、都会に行って就職試験を受け、そこで出会った女の子に恋をして、職を得て、社会の歯車になってく話?

男の子の哀しそうな大きな目が雄弁で、緊張とか気になる子へのドキドキとか、あの子来ないのかな?とか、もう観てるこっちもそわそわしちゃう情感。その女の子もとても綺麗だった。

試験の内容や雰囲気がなんだか不思議で、シュールな東欧の映画を観てるみたいだった。採用試験ってしょうもないってことを誇張して描いてたのかしら。

(備忘めも)試験のお昼休みが15時までで、ゆったりしてるなぁとか。就職試験に母ちゃんがついて来ちゃって息子の代わりに出欠の返事しちゃうの、どこの国でもあるわなぁとか。なんのかんのと気になる女の子に声をかけて一緒に過ごせるんだから、イタリア男子予備軍さすがだなぁとか(帽子のかぶり方もかっこいい)。終身雇用前提だったし、新人を適当な人数とっといて、「ウチの部署今足りてるんだよね、とりあえず伝言係でもやっといて」とかこの頃余裕あったんだなぁとか、ダンスパーティに1人で行ったら受付で「連れがいないなら酒瓶持ってけ」って渡されるけど、あれぼっちの目印?かわいそうプレゼント?(カップルじゃないと社会的に相手にされないのってイタリアだっけ?)
遅刻する!とか、乗ったまま寝ちゃった車両が故障で切り離されて取り残された!とか、ドキドキする場面から、普通に間に合ってたり家にいたりへワープするテンポが面白かった。
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