すー

ルームのすーのレビュー・感想・評価

ルーム(2015年製作の映画)
4.5
言葉にするのが難しい。
私はとても良い作品だと思うし、もう一度観たいとも思う。内容は重いし人によってはもう観たくないと思うだろうけど。

この作品の意見がばらつきそうなところって、どういった考えをもっているかにもよるのかなと。
主な登場人物の誘拐されたジョイ、その息子ジャック。そして後半から出てくるジョイの両親、それから母親の新しい恋人のレオ。そして記者。この中の誰の気持ちに共感できるかでも評価が変わってくるんじゃないかなって。

それで皆が皆、色んなことを容易に受け入れられるようにはできていないってことを改めて本作を通して突きつけられた気がする。
誘拐犯との子供ということに生理的に受け入れられない人もいるだろうし、記者が投げかけた質問に自分もそれが気になるっていう人もいるだろうし。こういった感情とか考えは別にマイナスなことじゃなくて、浮かび上がって仕方がないことだと思う。また、それを否定する人がいることも当然だし。
ジョイの母親やレオのような人ばかりではなく、世界には色々な考えをもつ人であふれているから。世界はとても広くてとても大きいから。
この作品はそのことを伝えようとしているわけではないんだけど、そういったことも考えさせられた。

最後に、ブリー・ラーソンとジェイコブくんの演技は噂通り。寧ろ期待以上。この演技に文句をつけたら大体の人が演技下手になる。
二人以外に注目すべきはジョイの母親役のジョーン・アレン。この人の演技も自然で違和感がなくてよかった。表情が母親のそれであり、おばあちゃんのそれであり。印象に残るいい演技だったと思うので是非注目してほしい人。
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