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不愉快な話のmareのレビュー・感想・評価

不愉快な話(1977年製作の映画)
4.0
タイトル通り品がなく不愉快な話がフィクションとドキュメンタリーと、全く同じ体で二度味わうことになる挑発的な作風。かつてのぞきに取り憑かれた男が自身の性の哲学をそれっぽく語る卑猥極まりない内容で、周囲の女性たちはそれでも多少の興味を示しながら掘り下げていく。不愉快が勝つか、それとも興味が勝つか、延々と一つの話題を聞かされ続ける観客も試されている。作り物か現実でのディベートなのか、その境目すらいたずらに消し去ろうとする野心的なプロジェクト。画期的と言えば聞こえはいいが、奇妙すぎるこのプロットに掻き乱され、再現シーンがないため真剣に想像してしまうので、ユスターシュの術中にまんまとはまってしまったとしか言いようがない。
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