ミシンそば

マダム・フローレンス! 夢見るふたりのミシンそばのレビュー・感想・評価

2.7
BS松竹東急で放送していたので再鑑賞(吹き替え版観るのは初めてか)。
6年前に劇場で観たときは「上手く、下手に歌っている」感じがどうも納得いかなくて、あんまり楽しめなかった記憶がある。
メリル・ストリープはいつものようにすごく上手く演じているからこそ、この題材は触れてはいけないブラックボックスだったのではと思わずにはいられない。

ヒュー・グラントの、相当に複雑怪奇シンクレア・ベイフィールド(献身的な夫、妻を裏切ってるクズ、金に物を言わせる拝金主義者、それら全てを兼ね備えている)と言うキャラクターを演じきった様も、名演ではあるがどこまでも滑稽。
その滑稽さゆえに、「夢」と言う要素が呪縛にさえ感じられてしまう映画になっているし、自分の目にはそう映った。

――劇場で観たとき、フローレンスの歌唱シーンで彼女の歌よりも、彼女を嘲り笑う観客の方に「共感性羞恥」を覚えた(今回もそうだった)。