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マダム・フローレンス! 夢見るふたりのkのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

思ってた話と全然違った。笑いと涙?涙しかなかったけど…。
観終わってまず夫婦の温かい愛よ…と思ったけど、なんやこの、ジワジワっと込み上げてくる虚しさは。
いや、虚しすぎる。
マダム・フローレンスは生まれ持った優しさと、お金持ち特有の余裕から生まれる優しさどっちも兼ね備えてて、もっともっと皆んなに愛されるべき人やのに。周りのみんなぜんっぜんマダムのこと見てへん、自分のことばっかり。あまりにも孤独な環境の中で、シンクレアだけが心の支えやったんやろな。
自分が音痴って気づいてなかったとは思われへん。音楽の力を信じてたから歌いたいって思ったんじゃないんかな彼女は。そんなバカじゃなかったと思う、自分の身の上に起こってないことまでわかってたように思う。メリル・ストリープ自身が賢すぎるからかな?にじみ出てまうみたいな?もうほんま演技力すごすぎやって笑

何よりもし実際の出来事に忠実やとしても、カーネギーホールでの観客の姿勢を変えて欲しかった。クスクス笑わさんといて。あんな笑いで心から元気になる?人を蔑んで、音楽の力関係ないやん。もっともっと音楽の力、音楽から生まれる愛で満ちてよかったはずやのに。
もう心痛すぎたし、あんなん観るために映画観に行ってない…。何で笑えるん、めっちゃ胸くそ悪い。しかもコメディの才能があるとかそんなん言う人も登場させんといて。あたしが傷ついたわ。NYポストの記者の方がよっぽど良い。
最後のもう2度と歌わない、あなたの為にしか的な歌詞すら虚しかった。フローレンスは最後まで音楽を愛せてよかった。他人に笑われたぐらいで変わるような人じゃなかった。でもシンクレアあってこそなとこあったようにも思うけど。まぁ尽くすほどの価値がある人やったもん。夢を諦めてはい終わりじゃなくて、音楽を信じ続けてまた新しい夢を見る。
フローレンスが亡くなってから、シンクレアが音楽業界に貢献しながら質素に暮らしたのにめっちゃ納得。
もうあんな世界に生きる意味見出されへんなるやろ。
ピアニストの人も黒子に徹したのも、色々悟ったんかな。

はぁ、観終わってから考えること多すぎ…3人の演技力にあっぱれ。
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