愛と才能、そして信念。
ジェイ・ローチ監督。
冷戦下で行われた赤狩りの影響により、表舞台から消えることを余儀なくされたハリウッドの脚本家、ダルトン・トランボの生涯を描いたドラマ作品。
政治の都合で思想が弾圧された時代の犠牲者のお話。
トランボがハリウッドを追放される直前あたりから始まるので、伝記ものにありがちな駆け足のバタバタした感じはない。
トランボを演じた、ブライアン・クランストンが良い。揺るぎない信念を持つ強い面と、家族を思うあまり、不安でナーバスになる弱い面を併せ持つ男を見事に演じた。
赤狩りのエピソードはあまり詳しくなかったので、いろいろ興味深かった。この時代のハリウッド関係者が多数登場。
ジョン・ウェイン、カーク・ダグラス、ヘッダ・ホッパー、オットー・プレミンジャーなど、主要人物は当然、現代の役者さんが演じているけど、当時の映像や名前だけで登場している人を探すのも楽しい。
グレゴリー・ペック、デボラ・カー、ジンジャー・ロジャースなど他にもたくさん。
ズバ抜けた才能を持ちながら、不遇をかこつことを余儀なくされた男の戦いの物語。
そこには、家族への愛と信念があった。