たーぼーん

チリの闘いのたーぼーんのレビュー・感想・評価

チリの闘い(1978年製作の映画)
-
休日の正午頃から夕方まで三部作を一気見すると、1日の全てがこの作品のために費やされた風になり、この日から2週間ほど生活のリズムが大きく狂っていったが、今改めて思い返しても実に詳細な記録と映像の持つ迫力を両立した圧巻作であった。
少し意外だったのは、事情等をわかっていなかったこちらが悪いのだが、 「真珠のボタン」「光のノスタルジア」両作で取り沙汰されていた軍事独裁政権の圧政 ・虐殺が、第3部辺りで描かれるのかと期待してしまっていたが、そこまでは含まれていなかった点である。
第1部で政治混乱、第2部で軍事クーデターときて、第3部は地獄絵図を見せられるのかと思ってたところ、そうではなく国内の産業を担う労働者達にスポットをあてて、どうやって経済を立て直し理想的な生活を獲得出来るのだろうかを一緒に思い悩む回であった。
彼らは一応社会主義経済を志向しているのだが、どの体制の経済においてもテーマと出来る様な、需要と供給の事に時間を多く使っていたりするので、第3部は経済の研究をリアル視点で行えて勉強になり、これはこれで観応えがあった。