チリの闘いの作品情報・感想・評価

チリの闘い1978年製作の映画)

上映日:2016年09月10日

製作国:

上映時間:263分

4.3

あらすじ

「チリの闘い」に投稿された感想・評価

めり

めりの感想・評価

-
硬派なドキュメンタリーでとっつきづらいところもあったが、新谷さんという研究者の解説で製作経緯や構成が理解できてすっきりした。こうした金字塔的なドキュメンタリーを撮ったあとも終止符を打つことなく、その闘いの焼け跡というか、アフターマスを追い続けた結果、新三部作に繋がるんだな。
orangeloop

orangeloopの感想・評価

4.0
人民勢力の萌芽
プロレタリア階級による意識改革
搾取されることに妥協を見せる人間
そうではなくて
自立してこその労働とする
まさに原点回帰

サルバドール・アジェンデ大統領は
反帝国主義であり平和革命家として
国民から絶大な人気がある
そして凄く古いタイプの人間です

一つの国が他の国からの圧
避けられない介入によって
じわりじわりと崩壊していくのが
三部に構成されていました
平和革命による
国内の混乱
軍事クーデターそして
アジェンデ大統領のいなくなった後

猛烈なチリの混乱が全編
どうにもならないのに
激突に生きる

明るい国民性と激烈なトーク
字幕を追いかけるのに一苦労
階級や立場で意見が衝突しても
スペイン内線のようになっては
ならない
団結という言葉が木霊する

湧き上がる群衆のなか
マイクとカメラで撮っていて
熱気にもみくちゃに捲き込まれ
民衆にマイクを向ける
ホントによく撮ってるなと
思いました

プロレタリア階級による意識改革
砂漠でfin

原点回帰

https://youtu.be/6IutHxQ0GqU

………
大好きなパブロ・ネルーダも
スペインの内乱を体験し
チリの闘いでは反クーデター派

1973年9月11日を見届けたように
23日に逝かれてます


チリ革命への讃歌
ネルーダ最期の詩集

「レカバーレン」

月に輝く 銀色の
草原のなかに
猛り狂った気違いを
取り抑えよう
レカバーレンの
つくりかえた祖国よ

かれは真実を教え
ゆく道をしめした

その道は
きのう暗い大地を切り開き
きょうは希望を切り開く
大道なのだ
べらし

べらしの感想・評価

3.6
クリス・マルケルへのいや増す信頼感
そこに「語るべき事実」のある限り

1,2部の「9/11」に向けて加速されてゆく圧倒的ストーリーテリング(Shootしていた者の視点で"Shoot"されて第一部が終わるというというおそろしさ!)と比べると3部はややリリカルに流れて生硬、蛇足な感じもしないでもないが、カメラマンがその後軍事政権によって行方不明になっている事実を知るとレクイエムとして製作せずにおれなかったのだろうなと思う
ふかい

ふかいの感想・評価

3.6
本当の悪者(左翼政権を打倒し新自由主義を根付かせようとするあまりファシズム政党にまで資金援助をしてしまう帝国主義の権化=アメリカ)の顔は全く見えず、市井の人々に対するインタビューが延々と続いていく。特に仲介業者の存在を脅かすため、自分達でコミュニティを作り、一種のサプライチェーンのようなものを知恵と工夫だけで成立させてしまう(一時的ではあるものの)、第3部は非常に勇気が出る。
デカいリアカーのようなものを引きずる人を写した横移動撮影ショットが凄まじい。
Sios

Siosの感想・評価

4.3
歴史が激動する時。
その記録の克明さが驚異的。

1973年チリ。階級の対立、政権転覆工作、民衆の声と行動。起きている事実が、明快な構成で示されていて素晴らしい。
実力行使が迫る空気が伝わってくるし、暗躍するアメリカの露骨さも。

通りを埋め尽くす圧倒的な民衆の熱量と、一人ひとりの存在の力強さがともに目に焼き付いた。
わたしたちはすでに、1973年9月11日のクーデタによって悲劇的な終焉を迎えたアジェンデ政権のあとに訪れた、さらなる悲劇の顛末を知っている。それだけに第三部で民衆の力(poder popular)を信じる労働者たちの顔の映像はかなり胸に堪えるものがある。263分に及ぶ緊張感の張り詰めた映像を観てまず気がつくのは、さまざまな党派がぶつかりあうチリ大統領選挙も、国民生活のあらゆる場面に影響を及ぼしている経済制裁も、国会の爆撃という衝撃的な映像をもって果たされるクーデタも、すべてアメリカ合衆国が裏で手を引いていたにもかかわらず、その悪役は一切画面には映らないということだ。ベトナムや朝鮮半島と同様に1970年代のチリにおける政治的な混乱はアメリカ合衆国とソビエト連邦のあいだの冷戦体制に起因しているはずだが、米兵もソ連兵も画面には登場せず、チリ人がチリ人を殺めるという代理戦争を強いられてしまっている。歴史が善いほうへ向かうのは長い歳月と努力を要するにもかかわらず、悪いほうへと向かうのは、シーシュポスの岩が山を転がっていくようにあまりに一瞬である。ウクライナ情勢を見て明日はわが身といっているあいだに取り返しがつかなくなるかもしれない。Compañero、われわれはいつだってそのことを肝に銘じておかなければならないのだ。
kam

kamの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

すごい映画。というより編集、演出に優れた映像資料か。いや、やはり作者の意図がしっかり読み取れるあたりは素晴らしい映画だろう。

資本主義を全身で浴びている日本人にとって、社会主義、そして共産主義は、失敗した過去の産物であり、到底不可能な、二項対立で言えば悪。

公平な選挙で選ばれた唯一の社会主義政権と言われるチリのアジェンデ政権。支持者、ブルカラーの声、風体。そして批判者、つまり資本主義者、ホワイトカラーのそれは、違いが鮮明で、果たしてどちらが国として正しいのか。。

欧米の資本主義、経済最優先。社会主義を敵とする。従わないものは経済的、軍事的ねじ伏せる。世界に不幸を振り撒いていたことが、よくよくわかる。そして今も変わっていないんだと思う。

三部作第三部は、マルクス主義の理想の様な、労働者階級による労働者による組織を作り出そうという活動の広がりを捉えている。なにか理想の様な、でも冷静に考えると不可能な様な。

欧米、そして日本の様な経済大国は、発展途上国を搾取することで成り立ってきた。だが、世界全体が裕福になってきた中、このまま突き進めるわけはない。これから世界がどうなっていくのか、、と不安になった。

日本の様な国に生きているからこそ、価値観を揺さぶられる素晴らしい映画。
取り返しのつかないスピードできな臭くなっていく時代の空気をあまりにも克明に捉えたこれぞドキュメンタリー。面白いかどうか以前に資料的価値だけで必見な作品。あらすじに並んでいるゴリゴリの熟語群が実にふさわしい、文字通り命がけで撮られた映画。これほどの国民の意識の高さと危機感がありながらこうなっちゃうんじゃ日本も明日クーデタ起きてもおかしくないな。しかし世界各国こんなリスク冒してまで何で軍なんて持ちたがるの・・・国家からしたら脅威でしかないじゃん。そんでUSAはマジで最低、ラテンアメリカを踏み躙り夥しい命を奪ったのは他ならぬUSAだということを痛感する。デモやストライキといった手段が反動勢力にとっても有効であるという恐ろしい事実にも気づかされる。
撃ち殺されたアルゼンチンのジャーナリストが最期に残した「Shot」、走ってる車に直撃という今じゃ考えられないインタビュースタイル、ピノチェトのおぞましい初心演説、『光のノスタルジア』にそのまま継がれる砂漠の風景。
鉄生

鉄生の感想・評価

4.5
いやあ、凄い
凄い映画を観てしまった
3部作計246分
しかし時間すらも忘れて画面に没入してしまいました

熱狂する民衆
陰謀の渦は政府を飲み込み
動乱はやがて全土に
緊迫した明日は未来に何を示すのか

東西冷戦期の1970年、チリでは選挙によって成立した世界初の社会主義政権が誕生しサルバドール・アジェンデが大統領に就任
「反帝国主義」「平和革命」を掲げて世界的な注目を集め、民衆の支持を得る
その改革政策は国内の保守層、多国籍企業、そしてアメリカ合衆国政府との間に激しい軋轢を生み、チリの社会・経済は混乱に至らしめた
1973年9月11日、陸軍のアウグスト・ピノチェト将軍ら軍部が米国CIAの支援を受け、遂に軍事クーデターを起こす
アジェンデは殺害され(自殺との説もあり)以後、チリはピノチェトを中心とした軍事独裁政権下に置かれた

ここまでが概要

アメリカというのは…
本当に世界に暗躍しているよなあ…
ヨーロッパにおけるロシアや東アジアにおける中国の比じゃないですよ

社会主義化を進めるチリの民衆とそれを阻止せんとする軍部の陰謀
労働者の強い国は社会主義化に傾倒していく
これは歴史が証明している

労働者達の熱い汗に裏打ちされた信念こそがこの映画の主役なのだ
この信念の前にはピノチェトもアジェンデも軍部もアメリカも脇役に過ぎない

そしてこの映画の傑出している点は淡々とカメラが事実を映し出していること
そこには何の主義主張もしていない
ドキュメンタリーは主張をしてはいけないのだ

いつの時代も被害者は民衆なのだろうか
民主主義の答えはそういうことなのだろうか
Atsui

Atsuiの感想・評価

5.0
非政治的でいられることは幸福の一要素だと思っている。追い求めるものが個人の裁量の範囲に収まっているということなので。この映画で、それがどれほど貴重なのかと感じ入った。
第三部の労働者の人たちはみんな前向きに物事を語っているけど、たぶん一過性のもので、仮にあのまま団結を叫んでも結局は内輪揉めして空中分解してたと思う。あの段階で夢と消えたから、理想的なように見えているだけだろう。
主義の様態にかかわらず、労働者とか若者とかそれまで非政治的だった人が政治に関心を持つってのは、現状のシステムでは自力で幸福になる見通しが立たない……自分が暮らすのと同じ社会の中に自分の幸福を阻む敵がいると認識してるってことだから、どうしたって対立が生まれる。そこで自分と近い人たち同士、小さな差異に目を瞑って共闘・勝利したところで、今度はスルーしてた差異を原因に分裂してまた対立、最後に何が残るやら。
社会というものが生まれて肥大化し始めたときからずっと人類は終わりに向かってるんだなってことがよくわかる。自分はまだセーフだと割り切って安穏と暮らすか、そうでない人や今後の世代のために少しでもシステムを改修しようと頑張るか……どっちが良いとかは思わないけど。
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