Ryoko

暗殺のRyokoのレビュー・感想・評価

暗殺(2015年製作の映画)
3.7
日本占領下の上海と京城(ソウル) が舞台。親日派の韓国人と日本人将校の暗殺のために結集された部隊、彼らを狙う謎のアウトロー、日本の密偵と、様々な人間関係や思惑が交錯するエンタメ作品!
テーマがテーマだけに、日本人としてどういう気持ちで見れば良いのだろうと若干戸惑いはあった。しかし、見始めるとそんなことは気にならず、純粋に楽しめた。
確かに日本人は悪として描かれてはいるけれど、どちらかというと憎しみの矛先は同胞を裏切った韓国人の方に向けられており、映画に込められたメッセージも内省的な印象を受けた。
1930年代の街並みの表現も秀逸。
ネオンライトに包まれた夜の街並みは、照明装置がふんだんに使われた演劇を見ているよう。暗躍する登場人物たちのシルエットが映えてまた良い。
そして何よりキャラクターの濃さ!
ハ・ジョンウ、イ・ジョンジェをはじめ好きな俳優さんばかり出てたけど、それぞれが期待通りの活躍をしてくれて満足。イ・ジョンジェは「観相師」でもそうだったけど、一癖ある役がはまってて、クールな表情からいきなりカッと牙を剥くような表情をしたときのギャップが凄い。今回演技面では一番見入ったかも。ハ・ジョンウは、かっこよすぎてまた惚れ直した。
難を言えば、人間関係が複雑、登場人物たちそれぞれの思惑が把握しきれないまま、スピーディーに話が進むので、映画のリズムみたいなものがちょっと掴みづらかった。もう少し韓国映画らしいえぐさがあっても良かったかなとも思う。それから日本人役には日本人俳優を使ってほしかったなー。
いろいろと言いたいことはあるけれど、時代感とアクションと役者の魅力で引っ張られ、大興奮で鑑賞できたので満足です!
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