【指導者を求めて…】
もしこれが作り物ではなく、現実の話だとしたらドイツ人は一体どんな対応をとるのだろうか。
世界を震撼させた独裁者アドルフ・ヒトラー。
誰しもが知る有名人物が2014年のドイツにタイムスリップしてきた。
彼はテレビ番組に出演することで次第に存在が知られていき…
EU離脱問題、アメリカの大統領選挙、日本での選挙権の18歳以上への付与。
今年も多くの政治問題が起こりました。
そんな年に公開された本作はなにか意味があるのかもしれませんね。
はじめはYouTubeとSNSを支配するヒトラー。
当時と違い情報の拡散が早くなった現代というのが如実にわかる描写ですね。
そして、ヒトラーがテレビ番組で演説し始めるのですが、カリスマ性があるんですよね。
最初は不謹慎だと思っていた人達がどんどん彼の演説に飲み込まれていってしまう。
まさに指導者としての器であり、民衆の心を掴むことに長けていたのでしょう。
思えば、ヒトラーも独裁者とされていますが、彼はもともと選挙で選ばれたことも有名な話。
時代がヒトラーを必要としていた。
そのあたりの皮肉も最後の方で『選挙を無くすことはできないだろ?』と彼の口から聞かされるわけである。
個人的に残念だったのは、『ヒトラー最後の12日間』をみてなくてオマージュに気付けなかったこと。
あとでその部分だけみたら完全に一致で笑いましたw
最後のオチまで皮肉で。
ヒトラーを発見したやつがまさかそんな末路を辿るとは…
ブラックジョーク映画というよりはかなりメッセージ性が秘められていて、手放しに楽しめる映画でもないこともまた事実。
が、隠れた良作というのはこういう映画をいうんでしょうね。
本当に現実世界にヒトラーが現れたら…
世界は一体どんな対応で彼を迎えるのだろう…
2016.12.28