けまろう

パーティで女の子に話しかけるにはのけまろうのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

『パーティーで女の子に話しかけるには』鑑賞。ビジュアルが素敵すぎるエルファニング目当てで鑑賞。異世界モノのボーイミーツガールという設定も個人的には好きなので期待!と思いきや、思っていたのと全く違うテイスト。言葉では表現できないが、とにかくぶっ飛んでいた。映像の粗さやチープな異星人の衣装、老けすぎている主人公(学生)など、意図的なのであろうが余りにもリアリティに欠けて感情移入できなかった。(するものでもないと思うが、画面に熱中できなかった)
エルファニング演じる異星人のザンは、自らの所属するコロニーに反抗して地球人との交流を求める少女。しかし、彼女(たち)はPTと呼ばれる保護者を筆頭としたコロニーとして生きることが決められており、個性や自由のない生き方を強いられていた。彼女は自分らしい、自分だけの経験を求めようと、コロニーの意に反した行動をとる。極めて特異なのは、彼女らは自らの「子供を食べる」という点だ。理由は明確で、純粋に増えすぎたからだという。種の拡大による争いや資源開発によって星が滅びたため、種の数を最低限に絞ろうという思想を信奉していたのだ。その違和感を、ザンはパンクで歌にするのだが、その時のエルファニングの変貌ぶりときたら!一見の価値ありかと。
対して、主人公のエンもザンのように現状に不満を持っており、それをパンクを通じて発散していた。父親はザンを捨て家を出て行き、母親は新しい恋人を作ろうとしている。そんな身勝手に見える大人たちに漠然とした不満を抱えていたのだ。そんな経緯もあり、「子を蔑ろにする」ことに対しては酷い嫌悪感を抱いており、自らの子供たちを食べるという異星人たちの在り方に激昂する。自分は子供を捨てるようなことはしないと。
そんな子供への想いを共通にした二人が結ばれて(何故か)妊娠し、ラスト15年越しに再会するシーンは流れとしては綺麗でありながらも、それまでがぶっ飛びすぎててついていけなかった。
けまろう

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