賽の河原

無限の住人の賽の河原のレビュー・感想・評価

無限の住人(2017年製作の映画)
3.1
「話は雑!でもアクションは素晴らしい!」って感じでした。
宣伝とかバンバンしてますけどレーティングの感覚以上にスプラッター映画だし、「木村拓哉見に来ました」みたいな隣の女性は場面によっては目を押さえてるような状態だったので免疫のない方は少し気をつけたほうがいいかもしれません。
ざっくり言うと亜人がスリーハンドレッドな感じで無双系のゲームをしていくような感じで、宣伝コピーの「不死身って死ぬほどめんどくせえ」というのは言い得て妙でしたね。
血糊、殺陣の迫力に、複数人の動きが押さえられたアクションにテンション上がりました。演者もよかったですね。上映中の映画の割に得点低いですけど、木村拓哉もよかったですよ。特に殺陣で傷つき果てた後の演技とかは実に良かった。あとはアレですね、戸田恵梨香の脚もエロくて良かったしw 市川海老蔵の瞬きなしの非人間的なメタな役も見所ありましたね。市原隼人も良かった。終盤にキャラクター入り乱れてのアクションは今年見た映画の中でもトップクラスにテンション上がりました。
残念なのはお話の筋。原作の問題があるんでしょうが、本作では「仇討ちをめぐる善悪」が1つテーマとして杉咲花さんと福士蒼汰くんの間で繰り広げられるように見えるんですが、本作の演出だと「杉咲花がとりあえず思考停止して仇討ちを続行する」ようにしか見えない。好意的に受け取っても「私の仇討ちは私の都合でオーケー。あなたの都合は一応考慮には入れますが基本は自己都合です。」レベルにしか見えないですね。この程度の演出なら福士蒼汰くんの都合はカットして戸田恵梨香との関係性描写に時間を使ったほうが良かったような。。。(繰り返しますが原作の問題もあるのでしょう)
木村拓哉の言う「人を斬ることの重み」的な部分も言葉ではいろいろと言いますが、比較対象がアレですけど「許されざる者」のイーストウッドの醸し出す「人を殺すことの業や禍々しさ」に比べると軽くて薄いなあと思いますね。
「そのセリフはクソダセーだろ〜」って頭抱えたくなるようなセリフもありましたね。具体的には背中を貸すシーンと弱った後に倒す予定だった的なシーンですね。かなり痛い人みたいになってるw
あと演出面で言うと市川海老蔵戦の後の木村拓哉、回復が遅くなったり、弱ったりって演出は言いたいことがないではないが良かった部分だと思うんですが、衣装が毎回同じで死にかけの斬り合いしたあとも毎回衣装が新しくなっちゃうっていう演出の配慮のなさはせっかくの人間描写の演出を損ねちゃってると思います。
とはいえ、全然映画館で見て良かった作品でしたし「どうせ木村拓哉主演で三池崇史が帳尻合わせに行ったビッグバジェットのクソ映画でしょ?」みたいな感じで敬遠したり、不当に低評価だったりというのは良くない風潮だと思います。アクションに関しては特に、私は見るべきところのある映画だと思いました
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