のんchan

写真家 ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のことののんchanのレビュー・感想・評価

4.5
朝からふわーっと穏やかな気になれて今幸せ気分です💗

白髪でマフラー🧣を首に巻き付けた老人が窓辺で新聞をめくりながらカメラに向かって喋る
「ソール・ライターはささやかな存在であって、映画にされる資格なんかない」
と朗らかに笑い、
「この一言からはじめたらどうだ?」
と、世界的に有名な写真家は、傲るどころか自己否定したりしながら言葉を紡ぐ。
とってもチャーミングでもう冒頭から釘付けにされた。

50年代終わりから20年程は、ファッションカメラマンとして『Show』『ELLE』『英国版ヴォーグ』『Queen』などの雑誌で仕事をした。また『エスクァイア』『ハーパーズ バザー』にカラー写真が紹介されている有名カメラマンだ。きっと雑誌の表紙は誰でも目にしている📚

70年近く前なのにお洒落で洗練されたセンスの光る写真が次から次へと映る。赤を印象的に使っていてカッコイイ♥️
赤い傘☂️紫の傘🌂たったそれだけを惹きつける1枚に✨

父親は著名なタルムード学者、父親の一族は何百人もホロコーストで亡くなっている。若い時、ラビを目指したが、父親に「一生ユダヤ人のプロでいる気はない」と神学校を中退。酷いことを言ったと悔やみがあるものの、自由を選んだ人生になった。

何十年とNYのロウアー・イースト・サイドに住み続けて、近所を散歩しながら自然描写を撮り続けている。

家中、物で溢れかえっていて助手が手伝いながら片付けをしている最中も
「無秩序には独特の魅力がある。無秩序にも快さがあるんだ」「全てを知るのは良くない。心地良い混乱状態というのは、時として実に気持ちがいい」と言ってまた気持ちよく笑う😄

亡くなった長年のパートナーを深く愛し続けている。
「世間的に成功しても、互いに大切に思える誰かが一緒にいること、そういうことの方が大事だった...」心底納得です🥺

「肝心なのは何を手に入れるかじゃなく、何を捨てるかなんだ」

気負い一つないのに、一言一言が名言のようで、何もないと言いながら人生を豊かに意義のある生き方をしている。
赤い靴下🧦を履いた穏やかな老人から、何を大切にするかを教えてもらえた。
観終わって気持ちが軽〜くなっている💫


2013年 享年89歳でNYにて死去
のんchan

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