Ryoko

ひと夏のファンタジアのRyokoのレビュー・感想・評価

ひと夏のファンタジア(2014年製作の映画)
4.2
ビフォアシリーズ好きな人ならきっと好きになると思う。
韓国人監督の作品ですが、奈良出身の河瀬直美監督がプロデュースしてるとのこと。
五條市の魅力がたっぷり描かれてる。細部まで演出が行き届いており、出演してるエキストラ的な人たちは本当に地元の人なんだろうな。
有名な俳優を使わなくてもお金をかけなくてもこんなに「日本」を美しく切り取れるんだなと感心してしまった。
映画は五條市の各所を訪れながら、会話を通して話しが進んでいく。台詞っぽくない、自然な会話がとっても心地よい。

映画は、2章に分かれている。
1章目は映画撮影の下見のために訪れた韓国人監督と通訳の女性が五條に住む人たちにインタビューをしていくドキュメンタリータッチの話。2章目は、韓国人女性と五條の観光案内所で出会った日本人男性の2日間のふれあいを描く。
特に2章目は、女性が話す片言の日本語と男性の話す優しい日本語の響きが、体に心地よく染み込んでいく感じだった。日本語という言語の奥行きを感じる。言葉の深み、行間を読む、少しずつ心を通わせていく感じ、よいなぁ。
日本人男性の質問の投げ方とか恥ずかしそうにさりげなくストレートに気持ちを言う感じとかとても良いんですよ。惚れちゃいそう。最終日の夜、核心に踏み込むシーンとかもう心臓がドキドキで、その後の展開もとっても気に入った。
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