ひと夏のファンタジアの作品情報・感想・評価

ひと夏のファンタジア2014年製作の映画)

한여름의 판타지아/ Midsummer's Fantasia

上映日:2016年06月25日

製作国:

上映時間:96分

3.8

あらすじ

”夢の映画”をめぐる、ささやかな恋と無限の映画の物語。 第1章 韓国から奈良県五條市にシナリオ・ハンティングにやってきた映画監督のテフン。彼は日本語 を話す助手のミジョンと共に、観光課の職員タケダの案内で町を訪ね歩く。古い喫茶店、廃校、 一人暮らしの老人の家......インタビューを通し、寂れゆく町にも人々の営みを感じたテフンは、 旅の最後の夜に不思議な夢を見る。目覚めたとき、窓…

”夢の映画”をめぐる、ささやかな恋と無限の映画の物語。 第1章 韓国から奈良県五條市にシナリオ・ハンティングにやってきた映画監督のテフン。彼は日本語 を話す助手のミジョンと共に、観光課の職員タケダの案内で町を訪ね歩く。古い喫茶店、廃校、 一人暮らしの老人の家......インタビューを通し、寂れゆく町にも人々の営みを感じたテフンは、 旅の最後の夜に不思議な夢を見る。目覚めたとき、窓の外には花火があがっていた...。 第2章 韓国から奈良にやってきた若い女性ヘジョン。彼女は五條市の観光案内所で知り合った柿農家 の青年ユウスケと共に、古い町を歩き始める。ユウスケは徐々に彼女に惹かれるようになり...。 

「ひと夏のファンタジア」に投稿された感想・評価

nagashing

nagashingの感想・評価

3.5
ホン・サンスから皮肉っぽいユーモアを引いてノスタルジックな情緒を加えたような映画。個人的には、かゆいところに手がとどいてなかなかいい感じだった。廃校のシーンにおけるカメラ位置の反転とか、つながっていないようでつながっている二部構成の差異も絶妙。Aパートは、フィクション、ドキュメント、ドキュメントをよそおったフィクションが混淆。幽霊すら現出させる、現実と虚構の境が融解する複層的な構成と、異邦人の目からとらえられる異世界感がたまらん。街のPR映画として一級品。たいした観光資源もないのに行ってみたくなっちゃう。
紫色部

紫色部の感想・評価

3.0
2018.7.7 GYAO!

ホン・サンスと最良の諏訪敦彦を足して3で割った感じ。日本語を頑張って話すキム・セビョクの振舞いから匂い立つ長回しの空気感にやられる。
えりこ

えりこの感想・評価

3.8
心地よい余韻に浸っています。
奈良県五條市を舞台に、二部構成になっている作品。

一部は韓国から来た映画監督と通訳が地元の人たち(これが見た感じどうやらリアル地元民たちではないかと…)に取材しながら小旅行する展開。

二部は多分、その映画監督が作った映画を映像化したものではないかと。
これが良い!なんとも自然で心地よいんですよ。
出演している方々は多分そんなに有名ではないと思うのだけどそれがいい!有名俳優を使うとその人の強いイメージで色が付いてしまうので。
若干マニアックな作品ですが、個人的におススメです。
Canape

Canapeの感想・評価

2.5
2部構成。派手なことも特別なこともない。ただ一瞬輝いて消えていく花火のような淡い時間と過ぎていく夏の空気感が絶妙。1部は奈良県五條市にきた韓国人監督が地元民に話を聞くドキュメンタリータッチのフィクション。2部は一人旅行で同地を訪れた韓国人女性と地元男性の淡い夏の出来事。ここぞとばかりにぐいぐいアプローチしてくる寂しい男の感じとかリアル。素朴でいい人だけど苦手なタイプ。ほのぼのした食事風景も韓国人女性の食べ方がうるさくて苦痛。だけど二人の間には出会った時にはなかった何かが少しずつ積み重なっていく。ノスタルジーに吸い込まれるような感覚、旅行×夏マジックが花火と共に煌めいていたよ。何にもない静かなところに行きたくなる気持ち、わかるなぁ。
日本の田舎の良い空気感が心地良く伝わってくる、サラッと見れる作品。
近年、日本の監督よりも他国の監督の方が日本の古き良きに注目して、美しく表現してくれているなと感じたりします。
日本人としてもっと自国のことを知らなくてはならないな、と度々考えさせられます。

モノクロからカラーの切り替え。
食事しながらのゆるやかな会話と、純風の喫茶店が素敵。
yoko45

yoko45の感想・評価

4.0
 心のどこかにある昔の気持ち、忘れていた,いつか見たかもしれない光景、これらを呼び起こすような映画です。
 話の内容はとくに劇的な展開もなく、役者の演技に感心する訳でもないのですが・・男女の自然で微妙な間合いが心地良いです。
 この映画を観て一人旅をした女性が、出会いはなかった、主人公のような青年はいなかったとつぶやいたとか・・・現実の多くはこんなものでしょう。
 退屈とする感想も見受けられますが、とくに本作の第二章において私は自然体の中に幻想的なものを感じました。
奈良県五條市を舞台に、韓国人監督が作った作品。

二部構成になってて、一部は韓国人監督が五條市に映画のロケハンに来る話。モノクロで描かれる五條市の風景は、過去にタイムスリップしたような懐かしくも美しい。

二部は、韓国からやって来た女性と地元のカキ農家の青年のほのかな恋。ほぽ二人の会話だけ。線香花火のような儚い味わい。

同じ役者が一部二部で別人を演じているけど、二部作が上手くリンクしているかと言うと、ちょっと微妙。面白いとまでは言えないですが、その空気感には少し惹かれます。

ファンタジーというより、どこか懐かしい感じのする映画です。
ayumi

ayumiの感想・評価

4.3
河瀬直美、奈良、カンヌ……

いろんなバイアスかかった状態で見てしまう気がしてあとまわしにしてた作品

見てよかった

やや変則的な構成以外、そこにコトサラなモノコトはないのに、受けた衝撃が大きすぎてしばらく立ち直れそうにない感じ

濱口竜介「ハッピーアワー」「天国はまだ遠い」を見た時の感じに近いかも

映画、夢、演じること、そして恋……

それぞれが持つ秘密をさりげなく、でも確かに耳元で教えてくれる作品

スコアって、作品そのものというよりその時々の自分のメンタルと作品との呼応の度合いだったりするわけで、わりかしフラット、感度イマイチの時に見たこの作品のスコアはさほど高くしないけれど、ここ何年かである意味一番いい映画かも知れない

旅先での恋……

あの時、気持ちを言葉にしていたなら

イタリア、一人で山あいに向かおうと乗ったバス、発車間際に飛び乗ってきたのは、前の日に会った彼女その人で

彼女の上気した頰、汗で貼りついた後れ毛を今でも思い出す
kyo

kyoの感想・評価

-

このレビューはネタバレを含みます

ゆすってみた。なにも出てこない。もういちど、こんどはゆっくりとつよめに。すると、ぽとり、ぽとり。中から黄金色したかたまりがおちてきて、「よばれた」「みちびかれた」「合図がきた」とあのひとはおもった。モノクロームの夢。空に星がおちる音。夏音。花火。

「花火はあがるのではなく、咲くんだよ」

むかし付き合っていた女の子が教えてくれた。ちがうよ、空に吸い込まれるんだよ。対抗していってみた。思い出、記憶、そんなものたちとふいに目が合う。画面のなか、どーん、どーん、と二度目の花火があがる。いいや、咲く。空に実をつける。

あれは夢の残像だったのだろうか。こころのなかで反芻してみる。でも、ふつう残像のほうが単色だよなあ。おもいつつ、調べることはしない。見たまま、からだにじんとのこった謎や疑問そのまま、できるだけ動かさず大切にしよう、それがささやかなスタンス。解説は読まない。知らないほうがいいこともある、そんなことだけ知っている。

「そういうの日本語で何ていうか知ってる?」友だちのyugeくんがいった。「つよがり、っていうんだよ。あはは」

夢といえば、ひとつ思い出すことがある。

真夜中、耳もとで青い蝶の声がして、目をさました。キッチンには冷めたコーヒー。氷を入れて飲もうかな、とおもったけれどやめた。冷蔵庫をあけて、水を飲んだ。窓からきれいなお月さまがみえた。しろい兎がうずくまり、だれかに呼ばれるのを待っている、そんな気がした。〈今と夢の境目で 月夜に照らされながら たった一人でゆらゆら踊っていた〉。石橋英子さんの"shadow"という曲がふっとあたまをよぎり、よぎった瞬間にほどけて消えた。

冷蔵庫をしめてもういちど窓の外を見たそのとき、青い蝶の大群が突風のように目の前を通り抜けた。わずか1秒、2秒ほどのできごとだった(もっと短かったかもしれない)。「そういう奇妙な体験談を、だれでもひとつくらいはもっている」そう誰かはいった。夢に空気をいれてふくらますと、風船みたいに飛んでいくのかもしれない。さっきまで、それを追っていたのだと気づく。

たどっていく。渡っていく。物語とものがたりのあいだ、夢とうつつのあいだを行きつもどりつ、歩く。ただ歩く。ただただ歩く。このからだ、こころで。映画とのそういう付き合い方がやっぱり好きなんだな、ぼくは。

白と黒でスケッチしてみました。できた絵に色をつけ足してみました。色をつけたら、世界がちょっとだけうごきました。かきあつめて、まぜあわせて、あらわれたのは、まあたらしい夏でした。

「俺たちは他人だからね」
「他人には話せない、自分だけのなにか」
「理由があると思う。それをつかまえないと」

近づく、はなれる、とおくから眺めてみる。水のゆらぎ、かすかな風のそよぎ。喫茶店、教室、小夜。そうして絵日記は、夢見から恋文へ。なにかがうまれる。花火。咲いても消えても、花の香りは残った。

ぼくはおもう、ほんとうの夏より、空想の夏のほうが、「ほんとう」に近いのかもしれない、と。けれど、それは近いだけで、やっぱりほんとうの夏が、ほんとうにほんとうなんだよ。青い蝶が耳もとでささやく。

風鈴がゆれる。ちりん、と涼音。よばれた、とおもった。風に。物語る夏が目をさます。五条にとけていく。
あお

あおの感想・評価

1.0
全く別の2作品だと思ってたら繋がってるのね。ここのレビュー見て気づいた。同じ人とは思わなかった。気づいてたら面白かったのかな。ただ退屈な映画だった。
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