Yui

シークレット・ロードのYuiのレビュー・感想・評価

シークレット・ロード(2014年製作の映画)
3.7
大好きなロビン・ウィリアムズ4作の遺作のうちの一つ。なかなか観れずにいたのをやっと観ました。凄く繊細な映画で、低評価だけど私は好きでした。

60歳の銀行員ノーランは奥さんにも家族にも親友にも誰にも自分がゲイである事を隠していて、自分にも周りにも負い目を感じながら生きている。
ある日、レオという男娼の男の子に出逢って、だんだんとその後ろめたさを断ち切りたくなるし、レオを救いたくなって行く。

優しくて真面目で控えめで感情を表に出さないノーランなのに、ロビン・ウィリアムズの繊細な表情や演技から、ノーランの切なさや苦しみや熱い感情がずっとこちらに伝わってくるのが本当に凄かった。

レオとのやり取りも、二人の間に芽生えた物は友情なのか愛なのか信頼なのか分からないけれど、確かにそこに何かが芽生えていて、傷付いて傷付けて来た彼らの臆病で繊細な何かに、胸が締め付けられた。

想像だけど、ずっと「でも」が付くような気持ちで生きてきた主人公だったんだろうな。仕事もあって奥さんともそれなりに上手くいってて、友達もいて。愛しているのは本当なんだけど「でも」って。奥さんだって、それでも愛してるから一緒にいたんだろうね。はぁ…切ないというか何というか。

エンドロールもしっかり最後まで観ていたら「ロビン・ウィリアムズに捧ぐ」で号泣。
亡くなったって分かってるけど、スクリーンの中の彼はいつも笑顔や感動や驚きをくれるので、私の中であぁ本当にいないんだなって寂しい気持ちになりました。

まだ観てない作品が沢山あるので、これからも楽しませてもらいたいと思います。
Yui

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