めしいらず

リメンバー・ミーのめしいらずのレビュー・感想・評価

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)
3.4
ディズニー&ピクサーが家族愛を打ち遣ったまま終わるはずがないから、基本的には定石通りの展開ではあるのだけれど、”二度目の死”というモチーフ(メキシコには古くからある考え方らしい)があまりに絶望的であり且つ素晴らしくて、その設定がこの映画を特別ならしめているように思う。子孫が祖先に思いを馳せることは、連綿と続いて来た家族史に自分がいると認識を新たにすることであり、彼らの記憶を語り継ぎ絶やさぬことである。そこに名を連ね、新しい世代へと血筋を繋いでいく役割の尊さ。会ったこともないご先祖たちが、主人公をちゃんと認識しているのが何だか温かい。ただ、家族の音楽へのヒステリックな態度と、悪役のくだんの悪事の内容が少し過剰な気もする。そう言えばこれはミステリで言うところのいわゆる”顔のない死体”ものの変型だなぁ。
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