めしいらず

沈黙のパレードのめしいらずのネタバレレビュー・内容・結末

沈黙のパレード(2022年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

殺されて然るべきと思ってしまうような悪辣な被害者。まさかアガサ・クリスティーの某有名作品的な”同情すべき犯人群像”の展開にするつもりなのかと危ぶんでいたら、さすがにそんなことにはしなかった。被害者に対する憎悪と加害者への共感が証言者たちを沈黙させ、事件の真相を見えにくくする物語の屋台骨はとても面白い。少しずつ見える光景が変わる真相解明も巧み。ただ如何にも恨みを買いそうな単純化された被害者像や、彼に罪を白状させようと善意の人々が選んだやり方があまりに大仰(殺す気満々としか思えない)なのはさすがに胡散臭い気がする。また、押したら打ちどころが悪くて…的なミステリによくある安っぽいシチュエーションが、作品細部への作者のこだわりなさを示している気がしてしまう。
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