おそば屋さんのカツカレー丼

ぼくのエリ 200歳の少女のおそば屋さんのカツカレー丼のレビュー・感想・評価

ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)
4.7
北欧スウェーデンの冬、音のない寒々しい雪景色と昼と夜の時間の境目があまりないような不思議な季節が、長い時を生きてきたヴァンパイアの生や孤独とリンクして、観進めていくほどに時間感覚が失われていく不思議な体験。そんなぼんやりとした世界で少年少女の瞬間的な関係性が展開されるものだから、愛おしく、ロマンチックで仕方がない。ラスト、プールから引き上げられたオスカーはエリの大きな瞳だけを見つめており、口元は映されない。それはオスカーの愛でもあり、決意でもある。

そんな素敵なラスト以降のオスカーとエリのこれからの道のりは古典的な2人きりの逃避行になるわけだけど、オスカーが老いて死ぬか、あのおじさんのように(あれはオスカーか?)エリに身を捧げて死ぬか、もしくはエリがおばさんのように陽の光に焼かれて死ぬかの選択肢しかないのかと思うと切ない。