ユースケ

キングコング:髑髏島の巨神のユースケのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

【ジュラシック・パーク】では恐竜。【ディープ・ブルー】ではサメ。【スネーク・フライト】ではヘビ。世界を股にかけ危険生物と戦い続ける男サミュエル・L・ジャクソンの次なる対戦相手は、南海の孤島スカル・アイランドに巣食う巨大類人猿怪獣キングコング。身長31.6メートル、体重158トンのパーフェクトボディを相手に、レイティングによって必殺マザー・ファッカーを封印されたサミュエルに勝ち目はあるのか。侍魂を継承した青い目の侍ジョン・C・ライリーも参戦し、ゴリラ顔のオッサンたちによる三つ巴の戦いが始まる。

【キングコング】映画としては通算8作目の作品であり、レジェンダリー・ピクチャーズが手掛けるモンスターバースシリーズとしては第2作目にあたる本作は、ベトナム戦争風味の効いた怪獣映画。

みどころは、開田裕治先生の怪獣全部乗せポスター同様、怪獣がガンガン現れ、ガンガン戦う出し惜しみのない怪獣プロレス。
【片腕カンフー対空飛ぶギロチン】殺法を放つキングコングを筆頭に、オリジナル版【キング・コング】にちょこっとだけ登場した前足二本しかない巨大トカゲをベースに【千と千尋の神隠し】のカオナシと【新世紀エヴァンゲリオン】の使徒サキエルと【ポケモン】のカラカラと【グエムル-漢江の怪物-】のグエムルを融合させたスカル・クローラー、【キングコング対ゴジラ】の大ダコへのオマージュを感じさせるキングコングの酒の肴リバー・デビル、【食人族】へのオマージュを感じさせる串刺しを披露するバンブー・スパイダー(こちらもオリジナル版【キング・コング】からカットされたスパイダー・ピット・シークエンスがベースとの事です)、【残酷を超えた驚愕ドキュメント・カランバ】へのオマージュを感じさせる八つ裂きを披露するサイコ・バルチャーなど、誰にでも楽しめる上に、わかる人にはわかる通好みの怪獣チョイスはさすがオタクの星ジョーダン・ヴォクト=ロバーツ監督です。

更に、【ラピュタ】の竜の巣を思わせるスカル・アイランドを取り囲む永久暴風圏に、【地獄の黙示録】の第一騎兵師団を思わせる第三攻撃ヘリ部隊スカイデビルズが突入するシーンで、ワーグナーの【ワルキューレの騎行】代わりにサミュエル・L・ジャクソンがかます演説は激アツ。出来る事ならマザー・ファッカーの掛け声と共に巨大化したサミュエルとキングコングとステゴロが見たかった。

とりあえず、ゲームデザイナー小島秀夫のファンとしては、サイコ・バルチャーの群れをガスマスク越しの主観映像を交えながら日本刀で斬り裂くシーンや零戦とP51マスタングの部品を寄せ集めて作った小型船グレイ・フォックス号の名前に、【メタルギア・ソリッド】の実写映画化にかける監督の熱意が感じられてたまりませんでした。

レジェンダリー・ピクチャーズが中国企業の万建(ワンダ)グループに買収されたので仕方ないのですが、あまりにも取って付けたような中国人女優ジン・ティエンのキャスティングが醸し出す中国資本臭が鼻に付きました。ジン・ティエンよ、やる事ないなら服を脱げ。本編よりも盛り上がるエンドロール後のオマケに登場するラドンもそうだそうだと言っています。