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葛城事件のcoroのレビュー・感想・評価

葛城事件(2016年製作の映画)
3.4
仲睦まじかった頃も遠い昔の話。理想の家族像を求めて止まない抑圧的な父親に支配され崩壊寸前の家族。やがて幻が消え去るまでの長い長い前日譚。

理想の家族像という重責を担おうと必死に努力をしながら、あと一歩を踏み出せずにいる飛べない天使(長男)の優しさが切なくて、飛べないのに踏み出す彼の一歩を見ているのが辛い。
彼を除くと、ここに登場してくる人物は誰ひとりとして、被害者やその家族のことを顧みることもない他責思考の人たちばかりで辟易してしまうけれど、それでもみんな懸命に生きている…

この坂を登りきれば我が家が見えてくる。その道からいつも聴こえてくる囁き声は、昔から何も変わっていないんだと思う。誰も居なくなってしまった今でも、きっと
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