ゆみモン

お父さんと伊藤さんのゆみモンのネタバレレビュー・内容・結末

お父さんと伊藤さん(2015年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

久しぶりの主演の上野樹里。
この前観たのは、『幸福のスイッチ』で頑固親父(沢田研二)に反抗する怜という娘役だった。
あれから約10年。すっかり大人の女性になっていてビックリ。

書店でアルバイトをしている36円の彩(上野樹里)は、小学校で給食のおじさんのバイトをしている、20歳年上の伊藤さん(リリー・フランキー)と同棲している。
そこへ、彩の兄夫婦と同居していた父(藤竜也)が転がり込んでくる。

彩は仕方なく父を迎え入れたが、伊藤さんはなんだか父とうまくやっていく。

しかし、父は子どもたちに疎まれていることを察し、空き家となっている実家で暮らすと言い出す。それも、落雷による火災で実家が全焼してしまい叶わなくなった。
やむなく彩と伊藤さんのアパートに戻った父の選択は、介護付き有料老人ホームへの入居だった。

キャストのキャラクターがユニークなので、なんとなくコメディタッチの部分も多いが、実は物凄く深刻な話だ。
家族のために何十年も働いてきた父親が、老後その子供達から疎まれてしまうなんて…。
子どもたちの生活、家庭事情…などいろいろあるにしても、切ない結末だ。考えさせられた。

最後まで謎だったのは、父が大切に持っていた段ボール箱の中の大量のスプーンだ。万引きしたスプーンを貯めていたのだろうが、どういう意味があったのだろうか?