タカシ

ゴジラvsコングのタカシのレビュー・感想・評価

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)
4.0
『次はゴジラvsヘドラ(嘘) 』


本当に心底ドラマパートがグダグダだと思った前作「KoM」から二年。

本編が二時間以下、開始数分でコング登場と、製作者の「人間ドラマは適当にやるぜぃ!」という宣言が聞こえてくるよう。

特にゴジラパートには前作のヒロインが、コングパートにはいわゆる疑似家族が一組関わる以外はとりあえず怪獣見せとけ、といった感じが潔い。

地底空洞説ってそういうことなの?とかアメリカから香港の直通海底トンネルって誰が何のために作ったの?とか、いやこんなことわざわざあげつらう自分が逆に愚かに感じてくるよ。

ただその分対決シーンは凄かった。

最初の対決はちょっとだけエヴァのTVシリーズ(8話)を思い出したなぁ。

クライマックスはあれだね、「パシフィック・リム」を思い出したけど、あれの10倍ぐらいの迫力だったな。

あれ怪獣も街並みもみんなCGなんざんしょ?
めちゃめちゃ金かかってんなあ(ゲスの感想)。
感心したのは対決シーンもただ横からフィックスで撮ってるだけじゃなくて、カメラアングルとかカメラの寄り引きとかの自在感。ただ怪獣がどつきあってるだけじゃないのが、すごい観ててわくわくしましたよ。

これホントきちんと劇場公開出来てよかったね。
劇場でちゃんと観られて本当によかったよかった。

まあ不満と言えば、リアクションとかいろいろコミュニケート出来るコングが、何考えてんだかいまいち判然としないゴジラに比べ明らかに登場シーンが多い事。
これは前作でゴジラを地上の王にしちゃったせいなのかね? だとしたら寂し過ぎるぜ。ゴジラさん、俺はあんたの雄叫び、もちっと聞きたかったぜ。
王様はもうみだりに人前で吠えたりしないもんなのかね。

今回観た吹替版は、割りと近年見たことがないくらい芸能人だらけで、まあ正直そんなに出来も良くなく、ちょっとがっかり(芦田愛菜さんは前作に続きよかったけど)。

この作品の中で一番許せないと思ったのはクライマックスの一番手に汗握る場面での、

「ビールを!」

ってところだよ。
あそこで興奮しきりの自分が一瞬で
「スン」
って平熱に戻ったのがはっきり分かった。

ミステリ作家があまりにものすごい完全犯罪思い付いたのに、その解決法が自分では考えつかなかったみたいな虚しさを感じたよ。

なのでこの作品はクライマックス前にビールでも飲んで少し脳の働きを鈍らせてから観ることをおすすめしますっ!(適当)
劇場(吹替版)にて。21.08.18
2021#011
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