青いむーみん

ジャック・リーチャー NEVER GO BACKの青いむーみんのレビュー・感想・評価

3.8
 ジャック・リーチャーシリーズ第二作目。トム・クルーズの96時間(誘拐関係なしバージョン)のようなハチャメチャアクション。しかし!今作非常に目立ったのはフリがあれば必ずオチがある脚本。これほど丁寧に作られたアクション映画はなかなかない。かと言って抜けのない完璧な脚本ではないけどかなりの秀作だと思う。天涯孤独のジャック・リーチャーに仮想家族を味あわせて偉そうな父親、排斥される父親、そして和解。というサブテーマもコミカルでいい。前作に引き続きヤりそうでやらないのも味わい深い。などなど褒めるところは確かにあるんだけど、いかんせん地味だ。このシリーズはあくまでアナログ時代の男のストーリーだから当然真新しさは一切ない。それにもかかわらず「これだ!」っていう爆発的魅力のある部分がどうも見当たらないのは痛い。これでは数多あるトム・クルーズのアクションヒーローものの中に埋もれてしまう。そうなってしまうには勿体無いシリーズだとは思うので次作ではもっと攻めてみて欲しい。が、原作があるものなので限定的であるのは否めないのが心配だ。
 今作を観て個人的に非常にヒロイン選びに優れたシリーズとなったのが嬉しい。二作とも中年の自立した気の強い美人がヒロインで、ロザムンド・パイク、コビー・スマルダーズと素晴らしいキャスティングだ。ある意味この部分が最大の魅力かもしれない。次作もこの正確なキャスティングでお願いします。