フィルム・ノワールというのだろうか、いつも後悔する。どうして自分はこの映画を観ることにしてしまったんだろう。血が流されたり殴り合ったりするの、本当に苦手なのに。こういうのを観るのはやめようと決めたのに、なぜまた手にとって観ることにしたんだろう。
息が苦しい。逃げ場もない。泥沼から抜け出せない。
中盤とラストの、空とやわらかな光に救われる。その光景に、ああ、ここにも空と光があったんだと気づく。ようやく呼吸ができ、空と光を感じるために、顔をあげてみようと思う。
それぞれの役者の顔が深く印象に残る。カズはヤン・イクチュンを彷彿とさせる。目が釘付けになる。