フィリピンインディペンデント映画の鬼才と呼ばれる
キドラット・タヒミックの最新作。
マゼランの世界一周の船旅に同行していたフィリピン人奴隷 エンリケに焦点を当てた話。
この作品、構想35年とあるように
1980年からじりじりと少しずつ撮影を重ね、2015年に一旦公開されるもその後も再上映のたびに編集をし直し、シーンが追加されていくまさに生き物のような映画。
その作品自体も創作物の域を逸脱した感性むき出しのカオスすぎる展開が、、、
まず、作品自体は
①マゼランとエンリケの航海を描写した劇映画のシーケンス
②キドラット監督の次男が演じる男がエンリケの子孫(キドラット監督本人が演じる)を探すモキュメンタリー形式のシーケンス
③ ①と②を編集する監督自身と息子が主役のただのホームビデオ笑
これらが時系列を無視してのべつもなくごちゃごちゃに配置された斬新すぎる編集がなされている。
しかも①に至っては全編16mmフィルムでの撮影で画質はローファイだし
②はエンリケの末裔を求める男が人から人へひたすらたらい回しにあうだけの展開ですげー冗長笑
さらに同じシーンが何度もリフレインするので正直かなりウトウトしながら観ていたw
全編通して流れるフィリピン民族音楽や民謡もこれまたリサイクルショップでジャンク売りされてたラジカセで録ったん?ってくらいローファイで極一部のローファイ至上主義者には絶大な支持を得るだろう笑
この映画で得た1番の 収穫はビサヤ語(セブ島で用いられる言語)で男性器を指す言葉がオチンチンって事を知ったことです!