Aya

香港、華麗なるオフィス・ライフのAyaのレビュー・感想・評価

3.6
この映画前知識無しで行ったらびっくりします。

なぜなら

ミュージカルだった!

しかもセットが完全なる舞台!

芝居もまさに演劇!って感じでした。
違うのはそれぞれのセリフや歌を発する人や、その場面場面の重要人物がカメラで視覚誘導されるところ。

近未来?をイメージした香港の大企業ジェームス&サン。
会社のビルに地下鉄直結。会社へ入るには駅のホームよろしくIDカードをタップし、長い行列の中エレベーターの順番を待つ。

オフィスは区切られた部分もあるんだけど階段から壁まで透明のプラスチック張りで均一に揃えられたデスクにPC、電話。

スーツ&オフィススタイルでバッチリ決めた若い社員が怒涛の如く出勤し、判で押したようように席に着き業務を始める。
効率重視!
皆が声を揃える目標は「定時で帰ろう!」

そんな目標とは別に出世街道にいる勝ち組重役たちと、新入社員のケイケイ、リーシアンの2人の男女を軸に愛と金、そして欲望渦巻くそれぞれのオフィスライフが繰り広げられる。

もうなんてったってあの地下鉄やオフィス外のセットですよね!
針金?!

計算された丸いオフィスに螺旋階段。風吹き荒れる喫煙所。

完全に舞台セット(これはお金がかかるのか?逆に安く済むのか?)上でたくさんの登場人物が流れるような立ち居振る舞いで、状況説明や心情吐露、そして企業戦士たる心を歌い上げる。

この歌がまた良いんだ!
歌詞が結構良くて、わかりやすいし、わたしも社畜として共感しまくり(社畜言うてますからね!)

会長の愛人の社長が俗物副社長と付き合ってたり、経理担当の眼鏡っ娘は副社長が好きだったり、重役に超巨乳で買い物命なのに仕事できたりキャラ立ちが最高!

思ったのが、香港の企業って出世に男女差ないんですかね?
男性優位でもないし、重役が男女同数なんですよ。
それが特に特別な描かれ方もしてないし。

また衣装も良いんだよ!
特に女性陣の靴ですよ!
9cm以下のヒールは不可!って感じで初老の社長でさえジミー・チュウを履きこなしていましたよ★

主役である新入社員のルーシアンが良かれと思って提案した企画を良いように使われるところも世知辛い。
出世って、幸せってなんなんでしょうね・・・。

なので後味はスッキリしないんだよね・・・。
金融系の映画去年今年多いですがなんか考えちゃいますよね・・・。

最初に会社に行った時「自殺するなら役員室で」って言われたの面白かったw

2016カリコレ京都にて
新作
Aya

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