いなだ

ランナウェイズのいなだのネタバレレビュー・内容・結末

ランナウェイズ(2010年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

“ランナウェイズ”はジョーン・ジェットがいて、日本では特に人気のあった元祖ガールズバンドであることくらいしか知らないが、観ていて入り込めた。

あの時代に女性(というか少女)だけのバンドを結成したために、“性”を強調するなど結構センセーショナルな売り方をしていて、特にマネージャーが癖のある人物で、見ていてヒヤヒヤした。(まだ15、6歳なのに煙草や薬物や酒、異性関係が激しくてびっくり)
ボーカルのシェリー・カリーとギターのジョーン・ジェットが主人公。実際、シェリーの自伝を元にジェットが監修した映画らしい。バンドが成功し、二人は擬似同性愛的な関係になるまで接近するが、フロントマンとして一身に世間から注目されることに疲れ、薬物中毒になり、家族(というか双子の姉)の元に逃げ出したくなるシェリーと、音楽が一番大切で、奇矯な目立ち方をするのではなくただロックをやりたいジェットは心が離れていく。結局、シェリーが音楽をやめ、バンドは解散という形になるが、そこからジェットはギアを上げてロックをやり始める。その後、地元で働いているシェリーは、ラジオからジェットの曲が流れてきて、電話をかける。
バンドをやっていくことの難しさ、世間からの注目に反する孤独、まだ彼女たちが少女であるなら尚更……といった感じで暗さが強い映画。しかし、ロックンロールをやり続けるジェットの強靭さには憧れる。傷ついた時、失意の時になお一層、音楽を求める気持ちが強くなるんだろうか。演じている人も役に合っていて、かっこよかった。

あと、日本での人気を表す描写が凄くて、ファン達がゾンビみたいになってた。
いなだ

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