片腕ファルコン

Doglegsの片腕ファルコンのレビュー・感想・評価

Doglegs(2015年製作の映画)
3.5
正直、この映画がなければ障害者プロレス団体・ドッグレッグスを知る事はなかったでしょうね。。

そのエースとも言えるサンボ慎太郎を中心に各選手にスポットが当たる訳だが…言っても障害者、足がない人や、重度過ぎてほとんど動けない人など、映ってる映像は生半可な画ではない。正直、嫌悪感を示す人もいるでしょう。。

そういう障害者に健常者も混じって試合をしているのだ。。

このサンボ慎太郎は健常者・アンチテーゼ北島に20年間一度も勝った事がないまま引退試合を迎えている。。

障害者"プロレス"と謳っているのだから1回くらい勝ったっていいじゃないですか!障害者を健常者が容赦なく打撃を打ち込む。。コレ…プロレスじゃないですね。。MMA(総合格闘技)に近いです。。例えば僕が障害者と戦ったら絶対遠慮しちゃうと思います。それだとドッグレッグスは成立しなくなっちゃう訳です。"自分のプライドがルール"だというのです。

それにしてもこのアンチテーゼ北島(ボランティア活動家)ってヤツ、並の神経じゃないはず。こんだけ容赦なくボコボコにできてしまうのだから。
掌底がどんなに危険な打撃か分かってるでしょうかね。。

ちなみにこのサンボ慎太郎、名前もさる事ながら面構えも良くて、格闘通が顔だけ見ると、柔術とかサンボが強そうっていう風格がある。僕も予告とかではそう思ってました。全然弱い!!正直得意技が何だったのかもよくわからなかった。。

他にも鬱病で末期ガンという絶望的な人が毎回負けて号泣したり、重度障害者の人(アル中&女装癖あり)は巨体な奥さんと夫婦でプロレスしたり…情報量が多すぎて活字にしきれない。。

一瞬、サンボ慎太郎のテラスハウス(もしくはあいのり)的展開もありつつ、引退試合当日を迎える。

それぞれの思いが交錯する中、戦う男たちの勇姿は障害者、健常者の枠を越えて素直に震えます!!

このタブー感は『おそいひと』に匹敵すると思います!!!!