「歴史を知らないものは過ちを繰り返す」
舞台の1つであるミチョアカン州の警察所長の言葉。
「指を1本切られたら、5本切る」
中盤での暴走気味な自警団員の言葉。
仮に歴史を知っていても、やられたらやり返すことが“正義”である限り“過ち”は無くならない…のかも知れませんね笑
メキシコの犯罪組織“カルテル”をテーマにアメリカとメキシコ、2つの国の自警団への取材を軸に映画は進んでいく。
ドキュメントにありがちな誘導するような質問(作為的なもの)は皆無なんだけれども、見せ方が非常に巧みで引き込まれるし揺さぶられる。
アメリカ、メキシコそれぞれの実情という大局的な話から、ミレレス医師のパーソナルな部分にフォーカスしていき、あのラストシーンという流れは心地良いくらいスムーズに引き込まれた。
あと、アメリカ南部のホワイトトラッシュ的な人が一番の常識人に見える珍しい映画です笑
人種差別とか言う次元ではなく「首を切断して見せしめにする」みたいな凄惨な犯罪が日常化しているのを目の当たりにしたら、国境警備を強化したくなる気持ちも分かる気がする。