古希を迎えても、45年間連れ添っても、こんなものなんでしょうか。
夫は特に悪いことしてないんです。でも妻は許せないのですよ。
わかります。だからこそ気持ちのやり場が無いのですね。この痛々しさったら!
写真を見るシーンがいくつかあるのですが、大波だったり小波だったり気持ちをざわつかせるアイテムとして、上手い演出。
妻が、大切な時間に写真を撮るなんて馬鹿らしいっていうようなこと言ってるのも伏線として効いてます。
相手が死者、というのも苦しいですね。夫の中で永遠に生きている人ってことですよね。
それも20代の姿のまま眠ってるって…。別れた恋人が何十年か経って老人の姿で現れるのとはわけが違いますよ。
夫はただ単純で鈍感なだけ。
妻は夫との関係に悩んでいるのではなく、自分の中の制御できない感情に混乱し夫を巻き込んでいるだけ。
夫は今までと変わりなく妻を見つめるが、妻はもう変わってしまっているのですね。
それでも夫婦を続けていればそれでいいのではないかしら。これもまた、人生のレッスンってことで。