ちら

シティ・オブ・ゴッドのちらのネタバレレビュー・内容・結末

シティ・オブ・ゴッド(2002年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

スラム街を舞台に、ベルトコンベアー式にギャングの世界に足を踏み入れていく子供達を鍵として、金と血とドラッグにまみれたギャングの世界とその衰勢を、シニカルかつアップテンポに描ききった衝撃作。

冒頭の鶏が逃げ出すシーケンスに、この映画がの全てが濃縮されていた。
仲間の鶏が抗し難い時流(人間の手)に飲み込まれていく中、何とか飲まれまいと奔走し、空を目指し羽を広げるもその小さな翼では風を掴む事ができず地へと落ち、ギャングの抗争という予想外の出来事から人間の手から逃れられた一羽の鶏の姿と、スラム街に生まれた境遇とその運命に何とか抗ったブスカペの姿が奇しくも重なり、劇中で自身が放った「真面目に生きてきたのが馬鹿を見る」への痛烈なアンチテーゼとして予想外の結末を迎える事となる。

実際に起こった惨劇である事から、この映画に対して「面白い」と言う表現が的確がどうか分別かつかないが、自分の心に激烈な印象を与えた映画である事は間違いない。

劇中で何度も映された浜辺の情景が美しさが、残酷な暴力描写を何とか払拭してくれました…。一度はあの夕焼けを生で見てみたいものです。
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