Renkon

シティ・オブ・ゴッドのRenkonのレビュー・感想・評価

シティ・オブ・ゴッド(2002年製作の映画)
4.5
神がこの街に下したジャッジは「混沌」か「秩序」か。

60年代から80年代にかけて、ブラジルのスラム街で実際に起きた抗争を基にした、実録ギャング映画。
「神の街」と言われた混沌のなかで、幼い子供たちが水鉄砲で遊ぶように銃をもち、犯罪を犯していく光景は衝撃的だった。
話のテンポも良く、抗争、犯罪以外にも友情、淡い恋模様、復讐などの要素を綺麗に絡み合わせてます。
なによりブスカベが覗くファインダーから語られるキャラクター達が、非常に魅力的だった。

18歳にしてギャングスターになった、ジョルノジョバーナもといリトルゼは、その暴れ牛のような暴力性と賢さで権力を手に入れ、街を支配する。
ヤクを捌きながらも彼らが街を支配したことにより無駄な抗争が無くなり、街が一時的に秩序を保つ描写や、ブスカベに撮られた写真が新聞に載って喜ぶあたり、悪人ながらどことなく愛嬌があって魅力的だった。
また、リトルゼの幼なじみでおしゃれギャングベネのいいヤツっぷりも良かった。
ヤク中のお客を喰い物にせず親友にしたり、ブスカベに高価なカメラをプレゼントしたりというイケメンっぷり。
彼の周りには自然と人が集まるが、彼がギャングの生活から足を洗う宣言をしたことをきっかけに、街を二分する抗争が静かに幕を開け、再び血の嵐が吹き荒れるのであった。

深作欣二ばりの迫力あるカメラワーク、実際にスラム街に住む素人役者たちによる演技から、熱量がビンビン伝わってきた!
ファンキーな冒頭から最後まで、実によくできた作品でした。傑作です。
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