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SCOOP!のundoのレビュー・感想・評価

SCOOP!(2016年製作の映画)
3.9
シャッターチャンスは一度だけ。

映画祭を挟んだりして、観るタイミングを失っていたけど、結局観た。観て良かった。

福山雅治と二階堂ふみのバディもの。
テレビ朝日が制作に名を連ねているので、極めてテレビドラマ的な雰囲気を出しつつも、役者の魅力を十分引き出せているので、良質な娯楽映画となっている。

福山雅治はハマリ役。他の方も書いているけど、ラジオ番組でのイメージそのまま。カッコ悪くてカッコ良い。ずるい。
二階堂ふみは明らかにもう1人の主役。いまどきの冷めた若者を演じているので、派手な演技はないけど、逆に難しい役のはず。抑揚がないのに気持ちが伝わる池松壮亮のような不思議なセリフまわしが良かった。
リリー・フランキーもかなりの怪演を見せたはずだが、他がしっかりしていたので、変に突出せず、作品全体のバランスも良い感じ。

前述のようにテレビ局がらみなので、マスコミ擁護的なにおいはやや鼻についたけど、こういう、あぶくのような空虚な雰囲気は嫌いではない。
フェリーニの「甘い生活」のように、痛烈な皮肉が入ればもっと良かったけど、そこまで踏み込んではいなかったのはやや残念。

そして、一番良かったのは二階堂ふみの髪の色。
夜のシーンが多いのでしばらく気づかなかったけど、とてもきれいな色だった。
彼女にとって、とても大切なシーンでそれがはっきりとわかるようになっていて、それが計算だとしたらとても良い演出だなと思った。細かいところだけど、それが一番心に残った。
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