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ジョン・ウィック:チャプター2のsatoshiのレビュー・感想・評価

4.4
 キアヌ・リーヴスが素晴らしいガン・フーアクションを見せ、ロシアンマフィアを壊滅させた快作『ジョン・ウィック』の続編。10月に3作目となる『ジョン・ウィック パラベラム』の公開が控えていることもあり、遂に鑑賞しました。

 鑑賞してみると、本作は1作目にあった要素はほぼそのままに、スケール感を増大させた作品であり、「前作のパワーアップ」という意味では実に正しい2作目でした。

 前作は、キアヌが体を張って演じていたガン・フーが特に素晴らしかったです。ただ銃を撃つのではなく、体術を上手く絡めながら相手の動きを封じ、確実にヘッドショットを決めるという戦い方は、観ていてとても新鮮でした。前作はこれを軸にシチュエーションを幾つか設け、バリエーションに富んだ戦いを見せてくれました。

 本作でもこのスタイルは健在。ただ、1作目の二番煎じにならないよう、それぞれがきちんとパワーアップしているのです。例えば、ジョンが追っ手から逃げるときの銃を換えながらの戦い方とか、駅構内での敵と並行に歩きながら一般人に気付かれないように撃ち合うとか、ラストの鏡に囲まれた空間での撃ち合いとか、前作より更に進化しているところが見受けられます。

 これに加え、本作では体術もパワーアップ。鉛筆1本で敵を倒すとか、電車内のナイフでの戦いとか、バリエーションが豊富。総じて、本作は戦い方のバリエーションが多彩で、それが次から次へと出てくるので、観ていてとても楽しい。

 また、本作では、前作ではそこまで描写されなかった殺し屋の世界がたっぷりと描かれます。ルールもそうですし、「中立地帯」での殺し屋達の会話、そして全世界にいる殺し屋の登場など、前作では語られるだけだったものがどんどん出てきて、世界観を広げています。さらに、本作ではコンチネンタルもフルで活用します。その準備の過程で、ジョンの普段の仕事を垣間見れた気がしますし、実に中二っぽいので、ここも観ていて楽しい。中二っぽいと言えば、あのダサい字幕も健在で、出てきたときは笑っちまいました。

 ストーリーについては、ぶっちゃけ前作以上にありません。妻との思い出の家を破壊されたジョンが、イタリアマフィアにはめられ殺し屋に追われるという、本当にただそれだけ。一応、復讐していくにつれてジョンが何かを失っていくという大まかなものはありますが、やっていることはアクションの連続です。しかし、そのアクションが新鮮で楽しいので、全く気にならん。

 以上のように、本作は前作の要素をさらにパワーアップさせた、正統派な続編でした。つーか、2作目でこれなら3作目はどうなるんだ。
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