らっく

ハドソン川の奇跡のらっくのレビュー・感想・評価

ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)
4.5
大惨事の映画は何本も見てきた。
そこに遭遇する人たちの過去、人間関係を描いて、必然で事故にあう。
パニック、祈り、そして過去を悔い、愛を語る。
緊迫の時間のあとに…助かる。
たくさんの涙で抱き合う姿、エンディングロールが流れる。

だが、この作品は違った。
まずは事故ありきなのだ。
そして、助かった観客が皆感謝しているヒーローであるはずべき機長が、罪に問われる。
保険会社、航空会社の責任回避のためらしいが、
他に方法はなかったのか、当日の体調は、さらにはコンピューターのシミュレーションを持ち出してきて、本当に憎らしい。
自分自身も事故の心理的後遺症に悩まされながらも、自分の人生を否定されるような審理に耐え、あくまで冷静に、真摯に回答する機長の姿、そしてタイミングの一言から反撃のヒントを得る姿に、心打たれた。

最初に事故が起こるので、そのあとは淡々とすすんでいくが、見応え十分。
ニューヨークの人命救助のパワーもすごかったが、
機長と副操縦士が最後までお互いを信じ、相手のとった行動に敬意を払っているところが、気持ち良かった。

トム・ハンクス、イーストウッドには、またしてもやられたけど、最後、本物の機長さん夫婦の登場。こちらも負けずに大変素敵な方。
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