leiene1991

ビジョンのleiene1991のレビュー・感想・評価

ビジョン(2015年製作の映画)
3.8
相変わらずくどい演出と音だし終盤も移動してるだろうなってとこまでは分かるけど、その場所に関する伏線を失念してたので最後の最後、あっ!ってなった
父親の最後の台詞がかなりエッジの効いた皮肉になっててめちゃくちゃよかった


家族を守るために映画の知識を活かして練りに練ったアリバイ工作で警察の追及をかわしていく父
なんとなく確信はあるけど確実な証拠を掴めず結局力で吐かせようとする警察側

少なくとも今の自分の価値観ではどっちもアウトなんだけど、この部分はまあ映画的な肉付けであって根底にある問題はインド国内での強姦や盗撮、ストーカー行為などの性被害の信じられない数の多さと根強い男尊女卑的な考え方、女性蔑視にあると思う

今作の事件の発端となった事にしても日本なら訴える選択肢が必ずあるはず
何も悪い事はしてないけどそれが社会的不名誉と捉えられたり、後の縁談に影響する事を恐れ被害者側が泣き寝入りせざるを得なくなり事件が表面化しないという悪循環
を産む社会
ある事件を契機にこういった犯罪に対する厳罰化や法改正が進んではいるものの状況はほとんど変わらないという
楽観的な物言いかもしれないけど、インドもインド映画も大好きなのでインド社会、文化がこれから良い方向に向かう事を願うばかりです
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