スガシュウヘイ

ビジョンのスガシュウヘイのレビュー・感想・評価

ビジョン(2015年製作の映画)
4.0
お気に入りレビュアーさんからのおすすめで視聴しましたが、これは本当におもしろかった!

男を殺害してしまった娘を守るため、完全犯罪のトリックを作り出す父親。
対する冷酷な女性警察長官は、なんと殺害された男の母親。

我が子のため。
絶対に負けられない二人。
二人の攻防がスリリングだ。



あらかじめ犯人がわかっており、警察がミスから追い詰めていくという設定は、『刑事コロンボ』や『古畑任三郎』に近いが、本作の父親はかなり手強い。常に警察の一枚上を行く。


最初は、父親が無学なため、侮っていた警察長官も徐々に本気になっていく。


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日本国憲法38条
「強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない」

こういう条文てインドにはないの?ってくらい殴る蹴るがひどかったけど、そこを逆手にカウンターパンチで警察を追い詰め、処分に追い込む父親もすごい。

いやいや、お前、犯人だから笑。
ってのを忘れちゃうくらい、警察の暴力がひどい。


法律的に一番悪いのは、殺人を犯した娘のはずだが、被害者や警察も「悪」に描かれ、加害者家族に感情移入してしまう構図は『悪人』とも似ている。


他のレビュアー様のレビューでは、『容疑者Xの献身』『ユージュアル・サスペクツ』なども書かれており、なるほど確かに!という感じ。

これは、すごいぞ!


公開:2015年(印)
監督:ニシカント・カマト