図書館では巷にあふれる出版物の中からどれを購入するか、「選書会議」を定期的に開催します。個人的思想・好悪を持ち込む者もいて紛糾しがちなのですが、すんなり購入決定しやすい一言は「類書なし」。「こんな主題の本は見たことない」となれば即購入です。
本作では中世海洋国家の覇権争いで小国オランダが大国イングランドに立ち向かいます。帆船艦隊の大規模砲撃戦を克明に描いた作品はおそらく「類作なし」。
16世紀オランダの日常風景を詳細に描写した作品も日本国内ではまず見かけないのでは。
CGもたいへんな迫力です。ルトガー・ハウアーさん出演によって個人的には「オランダが国を挙げて製作した超大作」の印象。
母国の命運を決めた戦いを扱うとどこの国でも長尺になりがちですが、本作はすっきりまとめてあって退屈させません。