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火の山のマリアのMinCのレビュー・感想・評価

火の山のマリア(2015年製作の映画)
4.3
グアテマラのマヤ族の娘マリア
えぇとまずグアテマラの地理を確認…と。
巫女かと思うようなエキゾティックなマリアの顔のクローズアップが印象的な導入部。

なのになのに、望まない結婚への焦り、アメリカへの憧れ、それにしても明らかにペペ不誠実なゲス野郎にそんなにあっけなく騙されちゃう?

呪術的な蛇払いの儀式でまんまとヘビに噛まれて速攻都市部の病院に運ばれるけれど、こういうとき蛇毒を吸い出すような昔ながらの知恵はないもんなの?

言葉の壁のせいで
死産したと言われた赤ちゃんが実は人身売買されていたこともわからない、そんなことがまかり通るの⁈いやー…怖いわー…

都市部の資本主義社会から見て弱者として描かれるマリアと家族。民族本来の農耕と牧畜、山里の自給自足的生活へリスペクトがもっとあってもいいはずでは?
都市部と農村部、スペイン語とマヤ語、白人と先住民、マジョリティとマイノリティ、アンビバレンスが招くアンバランス。
闘うためにはまず教育、言葉の壁を越えなきゃいけない。
辺境の少数民族が差別、迫害されることは今に始まったことではない。でもどの程度搾取されているのかすら解っていないこともあるのかもしれない。置かれた状況において、ただただ生きていく…

なんかもう価値基準がグラグラして感覚が痲痺してきますけれども

ただひとつ、マリアにうまれた母性、献身的なマリアの母の愛は万国共通、根源的で普遍不滅なことに救われたしホッとしました。
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